山、花、空・・点在する自然の営みを綴っています。
-Since 2004.08.28-
黎明彩香_Dreams
歴史に残る愚行が是正されるのか。
太平洋戦争終末期に米軍が沖縄に来襲し、沖縄慶良間諸島などで住民が集団自決するという痛ましいできごとがありました。
来春から使われる高校日本史の教科書検定で、沖縄戦の集団自決に関する記述に初めて意見が付き、日本軍が集団自決を強制したとの記述が削除された。
沖縄、11万人が訴え 教科書検定「撤回を」 【 asahi.com 】
沖縄戦で日本軍が住民に「集団自決」を強制したとの記述が教科書検定で削除された問題で、検定意見の撤回を求める超党派の沖縄県民大会が9月29日、宜野湾市の海浜公園で開かれた。参加者は主催者発表で11万人。米兵による少女暴行事件を機に8万5000人が基地の整理・縮小などを訴えた95年10月の大会を大きく上回る「島ぐるみ」の集会となった。参加者は検定意見の撤回と記述の回復を求める決議を採択した。
大会は県議会各派や県PTA連合会など22団体で作る実行委員会が主催。壇上には、独自に大会を開いた先島諸島の自治体を除く全36市町村の首長や議長らが並んだ。
沖縄戦体験者で実行委員長を務める仲里利信・県議会議長は「歴史的事実がねじ曲げられることは絶対に許すことはできない。県民大会は、住民を巻き込んだ悲惨な地上戦の惨禍に見舞われた沖縄が全国に発信する警鐘だ」とあいさつ。仲井真弘多知事も「文部科学省は県民の度重なる要請行動を真摯(しんし)に受け止めることなく、撤回要求に応じていない。強く抗議し、遺憾の意を表明する」と述べた。
沖縄戦の際、渡嘉敷島(とかしきじま)で「集団自決」の現場にいた吉川嘉勝さん(68)は、集団自決が起きたのは日本軍がいた島だけだった、と指摘。そのうえで、「日本軍の関与がなければあのような惨事は起こらなかった、と結論づける事実は山積している」と訴えた。
教科書を使う立場から読谷(よみたん)高校3年の津嘉山拡大(つかやま・こうだい)さん(18)と照屋奈津美さん(18)も意見を述べた。
「県外の人に真実を知ってほしい」と代表を引き受けた津嘉山さんが切り出した。
「おじい、おばあは重い口を開き、苦しい過去を教えてくれました。悲惨な集団自決があったことを」
将来、日本史の高校教師を志望している照屋さんが続けた。
「このまま検定意見が通れば、私が歴史を教える立場になった時、教科書の記述通り、事実ではないことを教えなければいけません」
「うそを真実と言わないで下さい。私たちは真実を学びたい。そして、次の世代の子供たちに真実を伝えたいのです」
一言一言、心を込めた照屋さんの言葉に、会場は拍手に包まれた。最後に2人は声を合わせて締めくくった。
「みにくい戦争を美化しないで下さい。たとえみにくくても真実を知りたい。学びたい。そして伝えたい」
「記述をなくそうとしている人たちは沖縄戦を体験したおじい、おばあたちがうそをついていると言うのか」と問い掛けた。
採択された決議では、「事実を正しく伝えることは我々に課せられた重大な責務」とし、文科省に検定意見の撤回を求めている。
大会後、仲井真知事は記者団に「ある種のマグマというかエネルギーが爆発寸前にあるのではないかと予感させるような大会だった」と述べた。
29日には宮古島と石垣島でも郡民大会が同時開催され、計6000人(主催者発表)が集まった。
文科省はこの教科書検定問題について「専門的な調査審議に基づいて実施された」として、検定意見は変更しないとの立場を貫いている。しかし、複数の教科書執筆者から訂正申請をめざす動きが出始めている。
そもそも集団自決に関する学説は大きく変化しているものではなく、日本軍の関与はあったという説が定説である状況には変わりはなさそうです。
教科書検定とは
民間の教科書会社が申請した本を検定基準に基づいて文部科学省が合否判定する仕組み。文科省が検定意見を付した場合、教科書会社は意見に従って修正した本を再度提出して合否判定を受ける。
検定は大学教授などで構成される「教科用図書検定調査審議会」の検討を経ている。このため、一度決まった検定意見を政治の意向で変えることについては「介入につながる」との理由で、政府は否定的な立場を貫いている。
検定意見は、客観性や公正さを担保することを目的に設置された、専門家による教科用図書検定調査審議会の答申に基づくという形を取っている。
審議会は、文部科学省の教科書調査官が提出する調査意見書に基づき審議する。
今回は調査官の意見書通りの検定意見がついた。審議会では特段の異論がなかったとされ、どれだけの議論があったか不明のようです。
世論に押されて、文部科学省は1日、記述の復活を含めた見直しを始めた模様です。
教科書検定:沖縄集団自決強制、「記述復活」に歓迎の声 【 毎日jp(毎日新聞) 】
「書き換えの道が開けて喜ばしい」。歴史教科書の検定でいったん削除が決まっていた「日本軍による沖縄住民の集団自決の強制」記述が、復活する見込みが強くなった。教科書の執筆者や教科書会社は文部科学省の方針転換を歓迎するが、「検定がなぜ一晩でくつがえるのか……」と、戸惑いの声も聞かれた。
検定で、日本軍の強制記述が削除された東京書籍。歴史教科書の執筆者の一人、東京都立駒場高校の坂本昇教諭は「検定は不当なものだった。文科省の見直しは一歩前進だ」と喜ぶ。
「総理が福田さんに代わり、沖縄で抗議が盛り上がって、流れが変わると思っていた」と明かす執筆者もいるようです。
子どもたちに間違った歴史は教えたくはありません。歴史を歪曲せず、平和の大切さを伝えていくことが今、試されているのではないでしょうか。

来春から使われる高校日本史の教科書検定で、沖縄戦の集団自決に関する記述に初めて意見が付き、日本軍が集団自決を強制したとの記述が削除された。
沖縄、11万人が訴え 教科書検定「撤回を」 【 asahi.com 】
沖縄戦で日本軍が住民に「集団自決」を強制したとの記述が教科書検定で削除された問題で、検定意見の撤回を求める超党派の沖縄県民大会が9月29日、宜野湾市の海浜公園で開かれた。参加者は主催者発表で11万人。米兵による少女暴行事件を機に8万5000人が基地の整理・縮小などを訴えた95年10月の大会を大きく上回る「島ぐるみ」の集会となった。参加者は検定意見の撤回と記述の回復を求める決議を採択した。
大会は県議会各派や県PTA連合会など22団体で作る実行委員会が主催。壇上には、独自に大会を開いた先島諸島の自治体を除く全36市町村の首長や議長らが並んだ。
沖縄戦体験者で実行委員長を務める仲里利信・県議会議長は「歴史的事実がねじ曲げられることは絶対に許すことはできない。県民大会は、住民を巻き込んだ悲惨な地上戦の惨禍に見舞われた沖縄が全国に発信する警鐘だ」とあいさつ。仲井真弘多知事も「文部科学省は県民の度重なる要請行動を真摯(しんし)に受け止めることなく、撤回要求に応じていない。強く抗議し、遺憾の意を表明する」と述べた。
沖縄戦の際、渡嘉敷島(とかしきじま)で「集団自決」の現場にいた吉川嘉勝さん(68)は、集団自決が起きたのは日本軍がいた島だけだった、と指摘。そのうえで、「日本軍の関与がなければあのような惨事は起こらなかった、と結論づける事実は山積している」と訴えた。
教科書を使う立場から読谷(よみたん)高校3年の津嘉山拡大(つかやま・こうだい)さん(18)と照屋奈津美さん(18)も意見を述べた。
「県外の人に真実を知ってほしい」と代表を引き受けた津嘉山さんが切り出した。
「おじい、おばあは重い口を開き、苦しい過去を教えてくれました。悲惨な集団自決があったことを」
将来、日本史の高校教師を志望している照屋さんが続けた。
「このまま検定意見が通れば、私が歴史を教える立場になった時、教科書の記述通り、事実ではないことを教えなければいけません」
「うそを真実と言わないで下さい。私たちは真実を学びたい。そして、次の世代の子供たちに真実を伝えたいのです」
一言一言、心を込めた照屋さんの言葉に、会場は拍手に包まれた。最後に2人は声を合わせて締めくくった。
「みにくい戦争を美化しないで下さい。たとえみにくくても真実を知りたい。学びたい。そして伝えたい」
「記述をなくそうとしている人たちは沖縄戦を体験したおじい、おばあたちがうそをついていると言うのか」と問い掛けた。
採択された決議では、「事実を正しく伝えることは我々に課せられた重大な責務」とし、文科省に検定意見の撤回を求めている。
大会後、仲井真知事は記者団に「ある種のマグマというかエネルギーが爆発寸前にあるのではないかと予感させるような大会だった」と述べた。
29日には宮古島と石垣島でも郡民大会が同時開催され、計6000人(主催者発表)が集まった。
文科省はこの教科書検定問題について「専門的な調査審議に基づいて実施された」として、検定意見は変更しないとの立場を貫いている。しかし、複数の教科書執筆者から訂正申請をめざす動きが出始めている。
そもそも集団自決に関する学説は大きく変化しているものではなく、日本軍の関与はあったという説が定説である状況には変わりはなさそうです。
教科書検定とは
民間の教科書会社が申請した本を検定基準に基づいて文部科学省が合否判定する仕組み。文科省が検定意見を付した場合、教科書会社は意見に従って修正した本を再度提出して合否判定を受ける。
検定は大学教授などで構成される「教科用図書検定調査審議会」の検討を経ている。このため、一度決まった検定意見を政治の意向で変えることについては「介入につながる」との理由で、政府は否定的な立場を貫いている。
検定意見は、客観性や公正さを担保することを目的に設置された、専門家による教科用図書検定調査審議会の答申に基づくという形を取っている。
審議会は、文部科学省の教科書調査官が提出する調査意見書に基づき審議する。
今回は調査官の意見書通りの検定意見がついた。審議会では特段の異論がなかったとされ、どれだけの議論があったか不明のようです。
世論に押されて、文部科学省は1日、記述の復活を含めた見直しを始めた模様です。
教科書検定:沖縄集団自決強制、「記述復活」に歓迎の声 【 毎日jp(毎日新聞) 】
「書き換えの道が開けて喜ばしい」。歴史教科書の検定でいったん削除が決まっていた「日本軍による沖縄住民の集団自決の強制」記述が、復活する見込みが強くなった。教科書の執筆者や教科書会社は文部科学省の方針転換を歓迎するが、「検定がなぜ一晩でくつがえるのか……」と、戸惑いの声も聞かれた。
検定で、日本軍の強制記述が削除された東京書籍。歴史教科書の執筆者の一人、東京都立駒場高校の坂本昇教諭は「検定は不当なものだった。文科省の見直しは一歩前進だ」と喜ぶ。
「総理が福田さんに代わり、沖縄で抗議が盛り上がって、流れが変わると思っていた」と明かす執筆者もいるようです。
子どもたちに間違った歴史は教えたくはありません。歴史を歪曲せず、平和の大切さを伝えていくことが今、試されているのではないでしょうか。

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