孤高のハダカの王様 // 北米と欧州スキーツアー //

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軍鶏日記vol.27

2006-07-07 14:21:33 | シャモニー 2006
バレーブランシュ大滑降

素晴らしい景色もまだまだ続くけどいよいよ滑走開始!

今回の凄腕メンバーでは「脱・クラッシクルート」をやりたかったんだけど、そんなことを言ってられる状況じゃなくなってしまった。

其の一、雪崩の恐れがありすぎ。
其の二、メンバーに体調不良者有。
其の三、ツアーは安全が最優先(当たり前)。

ケイゾーじいちゃんが99歳で滑ったクラッシックルートでは面白味に欠けるので、滑っては面白いルートを探し、滑っては面白いルートを探す、超ハードな「カオル企画版バレーブランシュ大滑降」を思い描いていたのだけれどやっぱヨーロッパのスケールはでかい、でかいよ。
おれが想像していた以上にでかかった、そして危険もついてまわってきていた。

ヨーロッパなめんなよ! by P氏 



ジャン(仮名)はいつも的確におれ達の技量とコンデションを見ている。
おれ達の中で雪のコンディションと滑りの技量がマッチしてガンガン滑れる者は2人だけだった、数人は技量に問題があり、数人は身体のコンディションに問題があった。

おれが知っているみんなだけど、おれがイメージしているみんなは最高に調子の良いみんな、気持ち良く滑れてて楽しんでいる時のみんな。

そのイメージでみんなを連れまわすと過去3回のツアーのように事件・事故が興りえてしまう。
ジャン(仮名)が再三再四ノートラックのオフピステを滑らずにセイフティーを選んだのは全て同じ理由だろう。



<Karlとジェダイマスター・ジャン(仮名)>


滑りたい人、滑ってみたい人がどうしても表に出やすいけれど滑ることに躊躇してる人、滑ることに自信がない人も確実にいる。無理をすれば怪我をする、怪我無く無事に帰ることが旅の最大の目的である。このことをジャン(仮名)は無言で強く教えてくれた。



シャモニーを始めとするヨーロッパで山岳ガイドをしているジャン(仮名)にとって無事にクライアントを帰すというミッションは最大であり最低限なのだろう。そして人命が掛かった修羅場を幾度となく経験していることも伺える。


ジャン(仮名)は33年間のガイド人生のなかで一体何を失い、どれほどの経験をしてきたのだろう。ジャン(仮名)と過ごした6日間おれは何度この問いを自分自身にしたのだろう。。。

「安全第一」。当り前すぎるこの言葉が一番難しいことはおれ自身もわかっていたはずなのに、、、ノートラックを見せてもなお滑らせないジャン(仮名)の姿勢にプロを感じた。





何度も言うが先週は大変な大雪であった。

今週はこうやって氷河滑降もできているがメインルートをはずれるとクレバスやセラックなどが隠れている、もちろん大事故に繋がるような大きなものは無いだろうが怪我に結びつくようなものはそこら辺にゴロゴロしている

とにかく素晴らしい天気である。
この景色、この天気、この雪、超サイコー。

こんなバレーブランシュを滑れるなんておれ達はなんて幸せなんだろう





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2 コメント

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反省。 (くっしー)
2006-07-08 10:23:14
そうだよね。スキーは一歩間違えれば危険なスポーツ。「安全第一」が絶対の条件なんだ。

なのにあたしときたら、あっちを滑りたい、こっちで滑りたいとジャンを困らせて。

クラスに必ず一人はいるよねこういう困ったタイプ……という、まさにその手の輩だったと“少し”反省。
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Unknown (まあそれはおれも同じ)
2006-07-08 15:11:44
くっしー、それはおれも同じ。



あっちフラフラ、こっちフラフラしながらジャンの目をぬすんでちらちらっとノートラックをかじりながらの滑走も楽しいじゃない。



クラスには「できすぎ君」のような子もいれば、やんちゃばかりする「じゃいあん」、ずるがしこい「スネオ」、いつも貧乏くじ引く「のび太」、アイドルの「しずかちゃん」がいるものさ。

これでクラスのバランスが取れるってもんでしょ。



ツエルマットのアンドレみたいなガイドもいれば、バルディゼールのフランクみたいなガイドもいる、そしてシャモニーのジャンのようなガイドもいる、それにキャットスキーのジェニファーみたいなガイドもいる、ウシャシャシャシャシャ(笑)。



おれ達って幸せだねー、こんなにたくさんの山岳ガイド達と一緒にたくさんの時間を過ごしてきた。



いろんなガイドがいて、いろんなスキーヤーがいる、でもみんな「安全第一」って思ってんだ。

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