破戒僧 黒蓮 人情釣り道楽

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明日へ繋がる釣り!!

2019年03月30日 21時10分33秒 | 近況
「明日へ繋がる釣り」 まぁこのタイトルだけを見ればカッコイイなぁとか連想される方も多いと思いますが
今夜の話はちょっとずっこける話なんですよねえ

今から10年近く前の風の強い夜でした 私は天草町の上平漁港という所に来ていました
年下の従兄弟を連れてメバル釣りです 勿論メバルの時季だから未だかなり寒い時でした
夜の暗闇が忍び寄る頃に私達は淡水エビをつけてメバルを釣り始めたのですが これがかなり釣れたのですが
どうにもこうにも小さいのばかりでホトホト困っていた時に 車のヘッドライトが近づいてきました
私達のすぐ傍で停車して外へ出てから堤防の周りを見渡していました。

何処かの釣り倶楽部の先輩と後輩だと直ぐに見て取れました 後輩の方は話しぶりでまだ入会したてのほやほやの新人みたいでした
釣りベストの背中の所にクラブ名を刺繍してありましたが まぁそのクラブの名誉のためにも此処は秘密と言うことでぇ・・
話を聞き耳立ててよく聞いていると沖へ磯釣りへ行くはずだったのが中止になり そのまま帰宅するのも嫌で勿体ないから
何処かの堤防で小魚でも釣ろうということになり 此処 上平漁港まで来たようでした

拙僧と従兄弟は火をおこして暖かい物でも食べなきゃなーと言って持参してきた牛肉と野菜ですき焼きをして食べていました
するとその二人も何やらカップ酒みたいな物を作って飲み始めたのです そしてそのうちに先輩らしい方がちょっとばかり酔っ払っちゃって
先輩風を吹かし始めたのです^^;
そしてその挙句に堤防の浅いところに誰が捨てたのかポカリの空き缶が沈んでいるのを見て「あれはアオリイカだ」と後輩に言い出した
確かに此処の堤防は大型のアオリイカがいつも行ったり来たりするところで人気が高いので拙僧達も「どれどれ、もうアオリイカが回ってきたのかな」
と思って堤防の足元を見てみたら アオリイカなど全く居ない よく見てみるとポカリの空き缶が沈んでるだけである

この先輩という御仁はこれを見てアオリイカだと後輩に言うから後輩は「アレは違うのでは?ポカリの空き缶ですよ」と言ってたのですが
「いいや、君にはまだわからんのだよ。イカという物は自在に色を変えて化けるからね」そう言うんだけどアレは誰が見たって空き缶だったのだ(笑)
そのうちに後輩が「全く全然動きませんよ。やはり空き缶ですよ」と言うと声を荒げて「君にはわからんのか!」と怒りだしたので
後輩は一歩引いてそれ以上は黙っていたようだった。

そのうちに酒が回ってきたのか先輩は「釣りというものは、その日に釣れなくてもちゃんと明日へ繋がる釣りをしなければならない」とか
言い出して何やかやと後輩に講釈をやり出したからもう後輩も呆れた様子で 
「明日へ繋がる釣りってどんな釣りなんですか」なんて言ってたようでしたが 先輩も何もこたえるようではなく知らん振りしてたようでした

そして「いいかい、水汲みバケツやらで海水を汲むときにはね 一度に大きなバケツで汲もうなんて考えたらいけないよ」 ふむそれは正論である
拙僧もそう思ってる・・
「小さいバケツで汲んで大きなバケツに移しながら溜めていくんだぞ」 特に船が沖を通った後とかには大きなバケツはイキナリ波が押し寄せてバケツに入り
そのまま波がひくからバケツを持っていかれるぞ そしてバケツの水の重みで身体がそのまま海中にドボンってなるからな 絶対に用心だぞ」
こういう事を教えて貰えるのが明日に繋がる釣りなんだぞ」
ふ~む・・まぁ一理はあるかなぁなんて思って黙って聞いてたけどねぇ
そのうちに宴も終わって拙僧と従兄弟も頑張ってメバルを釣ることにしたのです

例の釣りクラブの連中もアオリイカの仕掛けを作って小アジをつけて泳がせ釣りを始めました
拙僧達はあまり酒も飲まなかったので元気がバリバリでしたが お隣の後輩君は何だか面白くないらしくてライトバンの中に入って横になっていたようです
暫くしてから先輩君にアオリが一匹釣れたようで大急ぎでバケツに生かしておこうと思ったのか水を汲みに堤防の一番低いところへ走って行ってから
またすぐに戻ってきて今度は何を考えたのか面倒くさかったのか大きなバケツ(20リットル以上はあったなぁ)
を持って再び堤防の一番低いところへ走って行った。 すげぇ慌て様だなぁ 余程に嬉しいんだろうなぁ なんて思っていたらいつまでも帰ってこないしぃ
まぁ拙僧達には関係の無い人物だから色々詮索するのも疲れるだけだなと思っていたけど 30分を過ぎても帰ってこないから
後輩君を車の中まで起こしに行って「あのなぁ アンタの連れの人がさぁ 水汲みに行ったままもう随分と帰ってこないよ」と教えてあげたら
この後輩君と来たら「明日へ繋がる釣りでもしてるんでしょう」そう答えてまた眠ってしまった(笑)
「あっそう! なら拙僧達もほっておくか」と言うことになりそのままにしておいたら これまた一時間経っても音もしないし光も発してない・・
いくら何でも何か事が起こってて 知ってて知らない振りしてたなんて言われるのも気分が悪くなるから一番低いところの内側まで見に行ったら
誰もしない 「うわーっ! こりゃ大変だ」ということになり例の後輩君を起こして再び堤防の先の方へ見に行ったけど先輩はいない バケツも無い

そうしたら「おーい! 此処バイ ここ ここぉ」と声がするからその方向を見てみたら 先輩君はバケツを抱いて波間にプカプカ浮いていた(笑)
拙僧達の救命ロープと彼らのロープを繋いで先へスカリ用のブイをつけて2~3度投げたら丁度目の前に着水したからそれにつかまって
私達が三人で引き上げた この寒い時期にびしょ濡れで大変だろうと火をおこして身体を温めるようにしてあげた。

ところでこの先輩君 何で落っこちたのか聞いてみると 大きなバケツで一度に汲んでしまおうと思ったらしく 
暗闇の中沖を漁船が通ったのが解んなかったらしくて・・ うふふ・・もう後は想像の通りです イキナリバケツイッパイに海水が入り
波がひいた瞬間にドボン・・・多少湾内でも波があったので岸壁に近づくことはせずにじっと安全なところに浮いていたようでした(笑)

どうやら先輩君の釣りは明日へと繋がりすぎたらしい(笑) 先輩が身をもって後輩君に教えたかったのかなぁ(爆笑) 
あまり先輩風を吹かせて講釈ばっかりしていたから大声も出せないで明るくなるのを待ってるつもりだったとさぁ

さて今一度 アングラーの皆様 海難事故には充分に気をつけましょうねえ
それでは今夜はこのへんでぇ おやすみなさいzzzz明日も良い日になりますようニィ❤