昨日は「頑張らなくてもいい場所」について書きました。
この「頑張る」という言葉は手元の辞書(新明解国語辞典 第四版)によると
- 途中の困難にめげず、最後までやり通す。
- 持てる力をフルに出して、努力する。
- ある場所を占拠して、絶対に動かないという姿勢を見せる。
とあります。
普通は、1.と2.の意味で使っていますが、頑張るの語源は「我を張る」こととも言われています。
翁の愛読書の著者、作家で仏教学者のひろ さちやさんは、頑張るの語源を「我を張る」とし、自分の考えを押し通す自己中心的になることを指すと言っています。
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1.と2.は普段使っていますが、3.は「頑固」や「頑なに」の「頑」がありますので、3.の意味もその通りかもしれません。
人間、歳を重ねると頭も硬くなり、自己中心的な考えに固執し、柔軟な考えができなくなります。真面目な人ほどその傾向が強いかもしれません。自分は真面目とは言い難いですが、その傾向はありますね。
ひろ さちやさんによると、昔は頑張るを軽蔑の意味を込めて使っていたそうですが、いつの間にか美辞になってしまったと仰っています。
そして、頑張る人生とは、いつまでもあくせくし、いらいらし、がつがつした生き方と断じています。つまりは我利我欲の人生ということだと思います。
今年も大雨や台風など自然災害の多い年でした。台風が過ぎると、大きな木が倒れている映像をよく視ました。不思議に竹は倒れていません。
人間の心も、それと一緒、巨木で強いと思っていると強い風が吹くと倒れかねません。竹のように風に任せてしなやかに生きると倒れることが少なくなるかもしれません。
悲しいかな凡人の翁はなかなかそういう境地になれません。
終わり