サッカーワールドカップの熱戦の余韻が残っていますが、今週末はクリスマス、それに全国各地で、この時期の予想外の大雪、ご苦労されている皆さまにお見舞い申し上げます。
◆民の竈(カマド)の煙
国内で最大規模の古墳「大仙陵古墳」の被葬者に比定される第16代仁徳天皇は、その昔、宮殿の高殿から民家を眺めると民家から炊事の煙が上がっていないことに気づき、貧しい民を憂いて、3年間徴税と賦役を免除したという。
さらにもう3年間続け、そのため、宮殿は荒れ放題でボロボロ、天皇の衣服もボロボロ、その窮状に見かねた民は進んで税を納め賦役に励んだという。
また、疑問を持つ后の問に対し「民は宝、民の富はすなわち我が富」と答えたという。諱が仁徳と付けられた所以です。もっとも、仁徳天皇は女性関係には??だったと伝えられていますが。
それは置いといて、翻って、今の政(マツリゴト)を見ると、なんだかなぁ、と思わざるを得ません。
政治資金パーティーという名の祭りを開けば、収入は未記載や過小記載、それに白紙の領収書まであるという。今の政治家は算術も出来ないらしい。それが大臣を務めている。
◆板塀政治家
昔、板塀政治家という言葉がありましたが、もう死語となりました。
これは、国事に奔走し過ぎで資産を無くし残ったのは板塀だけというところから「板塀政治家」と呼ばれました。
大正時代、衆議院議員を務めた田中正造はまさにその「板塀政治家」でした。
足尾銅山鉱毒事件で名を馳せた田中正造は、私財を投げ売って渡瀬川流域の公害被害者の救済にその生涯をかけ、最期は赤貧洗うが如しでほとんど無一文だったと言われています。
また、昭和時代、藤山コンツェルンを率いた「絹のハンカチ」と言われた元外務大臣藤山愛一郎氏も政治活動で私財を失ったと言われています。もっとも、彼は、自身が総理を目指していて、派閥の維持などで私財を費やしたので、国民のためにではありませんが。
田中正造の時代は資産家や名士しか議員、代議士になれなかった時代、今は誰でも議員になれる時代です。所属政党支部などが資金を集めたり、政党助成金が国庫(税金)から各政党に交付支給されます。
また、議員個人は自身の資金管理団体を通して、政治献金や政治資金パーティーを開き、自由に政治資金を集めます。今回、辞職を余儀なくされた、千葉五区選出の薗浦健太郎衆議院議員は、政治資金パーティーで集めたお金約4,000万円を収支報告書に過少申告し、浮いたお金は遊興費に使っていたと話しました。なお、今日にも辞職届を提出するそうです。
ただ、誰でも議員になれる時代と言っても、2世、3世の世襲議員も少なくありません。最早家業としている議員一族もいます。亡くなった安倍元総理や現職のキッシーこと岸田首総理もその一人ですね。
そのキッシーの売りは「聞く力」と言われていますが、その「聞く力」を発揮しないまま支持率は下がり続けています。
「聞く力」だけではなく、民の暮らしはどうなのか、果たして、民の竈(カマド)から煙が上がっているのか否か、「見る力」も大事でしょう。
今回、自民党は、法人税、所得税そしてタバコ税の将来的な増税策を打ち出しました。後ろに財務省という集金人がいるので、税の免除はありません。ただ増やすだけ。
政(マツリゴト)を担う政治家さんには、民の竈(カマド)だけでなく、愛煙家のタバコからも煙が上がっているのか、今一度、よく見てから決めてほしいと思いますね。民が豊かになってから税を増やすのではダメなのでしょうか? やはりダメなんでしょうね。残念。
いつもの戯言です。ご放念ください。
終わり
備考:カバー画像は「©︎いらすとや」さんのイラストを使わせて頂きました。感謝!