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シンガポールにおける輸入サービスに対する消費税課税の新規定(一)

2024-04-12 | 税制

シンガポール消費税、別称物品及びサービス税、英語ではGoods and Services Taxと呼ばれ、略称でGST いわゆるシンガポール国内での商品とサービス、および輸入品に対し、課される税金です。シンガポールの消費税は他の国の増値税 VAT にあたり、現行 7% の税率となっています。

 

シンガポールでは国内又は国外による全てのサービスに対し課税されています。現行の規定に基づき、シンガポール国内のサプライヤーによるサービス (免除対象となるものを除く) は消費税課税の対象となりますが、シンガポール国外のサプライヤーによる同じサービスでも消費税を課税されません。

 

2018 年のシンガポール予算の発表によると、シンガポール国内又は国外によるすべてのサービスに対する消費税課税基準を統一するために、2020 年 1 月 1 日から輸入サービスに対する課税新制度が下記のように実施されることです。

 

  1. マーケティング サービス、IT サービス、会計サービスなどの企業間取引 (B2B) の輸入サービスはリバースチャージ制度を適用します。

 

  1. 音楽やビデオのストリーミングサービス、アプリ、オンライン購読料など企業と一般消費者との取引の輸入デジタルサービスは(B2C)海外ベンダー登録制度(OVR)を適用します。

 

1.   リバースチャージ制度によって課税されるB2B輸入サービス

 

1.1     消費税登録事業者

 

2020 年 1 月 1 日以降、リバースチャージ制度に基づき、国外のサプライヤーがシンガポール国内の消費税登録事業者に B2B サービスを行う場合、消費税登録受取者はサプライヤーの代わりに、輸入サービスの価値によって消費税を支払わなければなりませんが、リバースチャージ範囲から特別に除外されるサービスが対象外となります。通常の支払税額控除規則に基づき、消費税登録受取者が関係する消費税を支払税(input tax)として控除することは認められます。

 

1.2     消費税未登録事業者

 

2020 年 1 月 1 日以降、12ヶ月間の輸入サービスの合計額が 100 万シンガポールドルを超えた場合、消費税登録事業者であっても支払税を全額控除できないので、消費税登録の新規定に基づき消登録することがあります。

 

消費税登録事業者になると、課税対象物品と輸入サービスに消費税を計上する必要がありますが、輸入サービスだけに対しリバースチャージされます。

 

1.3     リバースチャージ制度によって課税されるB2B輸入サービスの範囲

 

(1)    財・サービス法の第 4 スケジュールに基づく免除対象となる供給に該当するサービスです。

 

(2)    財・サービス法第 21 条 3 項に基づくゼロレーティングの対象となるサービスは、シンガポールに居住する課税対象者によって行われたものです。

 

(3)    シンガポール以外の地域で行われるサービス、且つそのサービスの性質が、財・サービス法(非課税となる政府供給) の別表に基づく非課税となる政府供給の説明に該当する場合 ;及び

 

(4)    課税供給に該当するする労務(すべての支払税に対して固定の支払税控除率又は特別の支払税控除計算式が付与されていない企業にのみ適用されます)。

 

 

1.4     影響を受ける企業とは?

 

リバースチャージ制度から主に影響を受ける企業は金融機関や居住者不動産のリース・販売会社等、企業間融資から配当金や利息収入を得ている投資持株会社、慈善団体、ボランティア福祉団体(VWO)、非営利団体 (NPO)、病院、教育機関といった無料・補助金援助を行う組織となっています。

 

リバースチャージ制度を適用する納税者は下記の2つとなります。

 

(1)    GST 登録者は、全額の支払税を申請する資格はない又は支払税を全額控除できない海外のサプライヤーからサービスを受ける消費税登録事業者。

 

(2)    輸入サービスの合計額が1,000,000シンガポールドルを超える場合であったとしても、消費税登録を仮にした場合に、支払税を全額控除できない消費税未登録事業者。

 

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