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3.優先株式を発行するメリット
会社や投資家にとって優先株を発行するメリットは、優先株の条件によって大きく異なる。
会社へのメリット
(1) 定額の配当金
(2) 資本金額に基づいて会社が中小企業の優遇税制を適用するか否かを確認する際に、優先株式の資本は資本金額に算入しないという税制上の弾力性
(3) 資本市場の拡大
(4) 普通株式の既存株主の議決権を希薄化させたり、影響を与えたり、会社に対する権利を低下させたりしない場合における資金調達の可能性
(5) 利払いのある銀行借入とは異なる、利益のみから支払われる配当
(6) 銀行融資のように会社の資産が凍結されることはない配当金の未払い
投資者へのメリット
(1) 定期的に支払われる定額の配当金と優先支払われる配当金
(2) 会社清算時の配当支払いと資本の払戻しの優先権
(3) 自分の利益に直接に影響を及ばず事項についての議決権
(4) 配当収入に対する課税の免除
(5) 弾力性のある優先株式の特徴と権利(償還、累積、転換など)
4.終わりに
要するに、この2種類の株式には大きな違いがあるため、全ての関係者は決議をする前に、優先株式発行の目的及び優先株式に付随する各権利を十分に理解することが重要である。優先株式は、リスクを取る投資家にもリスクを避ける投資家にも適した投資手段となりえるが、優先株式の条件によって大きく異なる点にご留意が必要である。条件次第で投資収益が決まり、会社、創業者、既存株主に大きな影響を与える。従って、発行後に発生する可能性のある紛争のリスクを軽減するために、優先株式の条件を全て理解することが重要です。
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