法人税申告書1120-F、正式名称は外国株式会社のための連邦法人税申告書です。本稿ではForm 1120-Fを提出する理由、提出者、Form 1120-Fの内容、提出期限及びペナルティ規定について簡単に説明します。
米国内国歳入庁(IRS)から条件に合致した外国株式会社がForm 1120-Fを提出するよう要求されています。理由は下記の三つになります。
- 外国株式会社は米国での源泉所得、控除額、相殺額、損失、利益を報告し、且つ米国での源泉所得税額を算出する為です。
- Form8833(完全な名称:セクション6114又は7701(b)により条約に基づき返却住所の開示)の提出による外国株式会社の払い戻しを請求する為です。
- セクション884に基づき、外国株式会社は、当該法人の支店に利益と超過利息の課税額を算出・支払う為です(適用される場合)。
外国株式会社が次の6つのいずれかに該当する場合に、Form 1120-Fを提出しなければなりません。
- 外国株式会社は所得・損失・収益が発生しており、且つそれらは米国での貿易又は事業活動と関係がある者の場合です。
- 同法第3章の源泉徴収の規定に基づき、外国株式会社は米国国内で貿易又は事業活動をしていないが、米国での所得が完全に源泉徴収されていない場合です。
- 外国株式会社が米国国内で貿易若しくは事業に従事する場合です。その貿易又は事業から米国の源泉所得があるかどうか、又は当該貿易若しくは事業から得た所得に対し、租税条約による免除できるかどうかと関係ありません。
- 外国株式会社は適格デリバティブ業者という支店を持っている場合です。
- 外国株式会社は課税年度に過払った税金の還付を申し込む場合です。
- 外国株式会社は損金算入と税額控除についての特典を申し込む場合です。
Form 1120-Fにより、主に下記の5つの基本情報を開示します。
- 外国株式会社について、会社名、会社を設立した国、会社の住所、会社の郵送先、米国雇用者識別番号(U.S. federal employer identification number)、会計方法の選択などの基本情報。
- 算出された納税金額もしくは過払った税金金額。また、「はい若しくはいいえ」のどちらかを選択する形で2ペー目の追加問題を回答します。
- 外国株式会社は、配当所得、賃貸所得、年金所得等のような米国での貿易または事業活動と関係がある所得。
- 外国株式会社は総所得もしくは総売上高、又はその他の所得という米国での貿易または事業活動と関係がある所得。
- 外国株式会社の資産・負債・所有者持分が含まれているSchedule L賃借対照表。
Form 1120-Fの提出期限は下記の2つの場合によって違います。
- 外国株式会社が米国国内で事務所または事業所を置く場合、Form 1120-Fの提出期限は、課税年度終了後の4ヶ月目の15日目までです。外国株式会社の課税年度末日が6月30日の場合、米国内に事務所または事業所を置いても、Form 1120-Fの提出期限は課税年度終了後の3か月目の15日目になります。外国株式会社は、Form 7004を提出することにより、Form 1120-Fの提出期限の延長(6か月間以内)を求めることができます。
- 外国株式会社が米国国内で事務所または事業所を置いていない場合、Form 1120-Fの提出期限は課税年度終了後の6ヶ月目の15日目です。外国株式会社は、Form7004を提出することにより、Form 1120-Fの提出期限の延長(6か月間以内)を申し込むことができます。
外国株式会社がForm 1120-Fを期限内に提出しない場合(延長期間を含む)、ペナルティ規定により、罰金を取られます。毎月の罰金金額は未納税金額の5%です。罰金金額は最大未納税金額の25%となります。外国株式会社は提出期限を60日超過しForm 1120-Fを提出しない場合、罰金が435ドルまたは納税額のいずれか少ない方になります。しかし、外国株式会社はForm 1120-Fを期限内に提出できなかったことが合理的な理由によるものであることを証明できれば、ペナルティ規定は適用外となります。
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