Kaizen(啓源会計事務所)

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マレーシア有限責任事業組合(LLP)の設立手続きとコンプライアンス

2023-07-07 | 税制

1. マレーシアLLPの設立手続き

 

最初のステップは、類似商号調査です。有限責任事業組合の名称の予約を申請することができます。予約した会社名が会社登記所によって承認された場合、30 日間保留され、または180日間までの保留が申請可能です。

 

次には、コンプライアンス責任者は設立登記申請を会社登記所に提出し、登録手数料を支払って、承認後、会社登記所所長はLLPの名称、設立日及び登録番号などが明記された登録通知書を発行します。当該登録通知書は、LLPの設立登記の合法的かつ有効な証拠です。設立証明書が必要な場合、LLPは会社登記所に申請を提出し、且つ追加料金を支払う必要があります。

 

一般的には、マレーシアLLPには特別なライセンス・許可を申請する必要がない場合、設立手続きをすべて完了する期間は14営業日以内です。

 

最後に、ビジネスニーズに応じてマレーシアにおける指定の銀行に法人口座を開設します。一部の銀行の要求によって、マレーシアの銀行に口座開設を申請するLLPに対して、その署名権限者全員及び最低1名のパートナーが自らマレーシアに出向き、口座開設手続きを行わなければなりません。

 

2. マレーシアLLPのコンプライアンス

 

2012年LLP法に基づき、有限責任事業組合が守るべき規定は主に次のとおりです。

 

2.1 変更登記

 

LLPは登記情報の変更後14日以内に会社登記所に通知するものとします。

 

2.2 登記簿及び法定記録の保存

 

LLPはその登録住所において以下の記録を保存する必要があります。

  • 設立通知書、
  • パートナー及びコンプライアンス責任者の名簿、
  • 最新の年次報告書、
  • 2012年LLP法に基づいて提出したすべての声明、
  • 2012年LLP法に基づいて発行したすべての証明書(もしあれば)、
  • LLP協議及びその修正案、
  • 財産の質入れに関する書類、および
  • 会社登記所所長によって保存が要求される書類。

 

2.3 会計記録の保存

 

LLPの経営状況を真実かつ公正に把握するため、LLPはその取引及び財務状況を十分に説明できる会計帳簿及びその他の資料を保管しなければなりません。保存場所は登録住所又はパートナーが適正だと考え、且つ会社登記所に通知された住所にあることが必要です。前述の会計記録は7年間以上保存されるものとします。

 

法律により、LLP協議で要求されていない限り、LLPは会計監査を受ける必要がありません。

 

2.4 年次申告

 

LLPは、事業年度終了後90日以内に、LLPが期限までに債務を履行する能力があるかどうかが記載された、2名のパートナーが署名した声明書を会社登記所に提出しなければなりません。LLPの初回の年次申告書は、会社設立日から18か月以内に提出する必要があります。

 

2.5 税務申告

 

有限責任会社に似ており、LLPの法人税率は通常24%です。出資額が250万リンギット以下であるLLPの場合、課税所得の最初の60万リンギットに対して17%の優遇税率で法人税を計算・納付されます。

 

パートナーがLLPから受け取った利益または配当金は免税の対象になります。当該LLPが配当を宣言する時、配当金を配る前、会計帳簿に記入する時、または実際に支払う時でも、パートナーは税金を納付する必要がありません。ただし、パートナーはLLPから受け取った報酬、手当及び物品に対しては、規定に従って納税する必要があります。

 

所得税について、LLPの最高税率は24%ですが、個人の最高税率は28%に達する可能性があります。LLP及びそのパートナーが全体の税負担を軽減するために、事前に税務計画を立てることをお勧めします。

 

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