Kaizen(啓源会計事務所)

海外の会社設立手続き、税制等の方面に関する情報は、Kaizenは皆様とシェアしましょう。

香港会社の維持要件のマニュアル(13)-休眠会社への変更申請(前編)

2022-01-19 | 会社設立

香港会社条例第5条により、香港において設立された私的会社は一時的に休業する場合、特別決議を通過し、会社登記所に特別決議を提出した後、休眠会社になることを宣言することができます。それにより、会社は会社条例の一部の規定を免除し、最小限のコストで維持することができます。

 

本稿は、休眠を申請する要件、手続きや結果、及び再開する際の要件や手続きについて説明します。

 

  1. 休眠会社とは

 

法律上、香港において設立された有限会社にとって、「休眠」とは、当該会社が1会計年度に会計取引を行っていないことを指します。「会計取引を行っていないこと」とは、会社の帳簿に記載する必要のある取引がないことを指します。会社設立の際に株主が支払った登録資本金、及び設立後に支払った会社の維持のための費用は、会社条例に規定された会計取引ではありません。

 

「休眠」の定義とは異なり、「業務のない」という用語は法律上の定義がありません。業務のない会社は休眠会社とは違います。業務のない会社は業務を停止していますが、帳簿に記載されたその他の会計取引があるかもしれないため、法律上の休眠会社ではありません。休眠会社は、免除できる特定の支出項目を除き、会計取引があってはなりません。

 

  1. 休眠会社への理由

 

会社名の保持、将来のプロジェクトの準備、又は資産や知的財産の保有等、各理由で会社が休眠会社になる場合はあります。

 

休眠会社になるもう一つの理由は最小限のコストで業務のない会社を維持することです。会社条例第5条により、休眠会社は以下の免除を受けることができます。

(1)    年次申告書の提出と年次株主総会の開催(第663条と611条)

(2)    監査済み財務諸表の作成と監査人の委任・解雇・退職(第447条)

 

会社の役員が必要と判断する限り、会社は無期限に休眠状態で維持することができます(例えば、会社の役割は他の者が会社名を使用することを防ぐことである場合)。但し、休眠状態においても、会社は依然として一部の維持費を支払わなければなりません。。

 

  1. 休眠会社への変更手続き

 

休眠会社になるには、会社は特別決議を通過し、取締役が宣言書を発行して会社登記所に提出し、休眠会社になることを示す必要があります。

 

会社条例第5条に規定された手続きに従って休眠会社になった会社は、全ての会計取引を行うことができません。即ち、当該会社は会社条例第373条に規定された会社帳簿に記載する必要のある取引を行うことができません。帳簿には以下の内容が含まれています。

(1)    会社の毎日の収支状況の記録及びその関連情報

(2)    会社の資産及び債務の記録

 

会社条例第2条は、法により支払った費用が会社取引ではないと特に明記されています。

 

休眠会社は上記の条項に違反した場合、会計取引を行う日から免除を受けることができません。さらに、当該取引を知っている、又は知っておくべき全てのの株主及び取締役は、当該取引による債務に対して個人的に責任を負う必要があります。

 

  1. 休眠会社の役員の責任

 

休眠会社の役員の職責は、通常の会社の役員の職責と同じです。取締役及び秘書役は、株主又はメンバーの代わりに会社を管理します。日常業務に加えて、彼らは会議の


この記事についてブログを書く
« 中国駐在員事務所の設立と維... | トップ | 香港会社の維持要件のマニュ... »
最新の画像もっと見る

会社設立」カテゴリの最新記事