2023年6月5日、中国国家税務総局深セン税務局と前海深セン・香港近代サービス産業協力区管理局と共同で「前海深セン・香港近代サービス産業協力区における企業所得税優遇政策の明確に関する公告」を発表し、前海深セン・香港近代サービス産業協力区(以下「協力区」と略称する)の企業に対する所得税優遇政策を適用する時の実質的経営要件を明確に規定しました。本公告が2023年1月1日から効力が生ずるとされています。
協力区で登記するだけでは生産・経営、人員、会計業務、財産等のいずれかを協力区に置かないと協力区で実質的に経営している条件を満たせない為、協力区の企業に対する所得税優遇政策の恩恵を享受できません。詳細規定は下記のようになります。
1. 生産・経営を協力区に
(1) 企業は協力に固定的な生産場所、必要な生産経営の設備等を確保しなければなりません。且つメインな生産場所又は生産経営に対して、全面的管理と統制をする機構を協力区に設立しなければなりません。
(2) 当該企業の名義で相手方と取引・契約成立を行わなければなりません。
2. 人員を協力区に
(1) 生産経営に必要な人員は協力区にある当該企業で確実に働き、給料が協力区にある銀行で開設された口座に振り込まれるとのことです。
(2) 企業の規模・人員の状況に基づき、1つの課税年度内に3~30人の人員に協力区で最低6ヶ月間の社会保険年金に加入させなければなりません。
3. 会計業務を協力区に
(1) 会計資格・会計帳簿・財務諸表等の会計関係書類を協力区に保管しなければなりません。
(2) 企業の基本貯金口座と主な業務の取引時に使われる決済口座を協力区の銀行で開設しなければなりません。
4. 財産を協力区に
企業が所有権・使用権を持っている財産を協力区で確実に使用している又はそれに対して実質的管理・統制をしている部署を協力区に置いている、且つ当該財産は当該企業の生産経営に相応しいものだとのことです
協力区で登記されている企業が協力区以外のところで分岐機構を設立し、当該分岐機構の生産経営・人員・会計業務・財産等に全面的な管理・統制ができている場合、当該企業は協力区で実質的経営の要件に該当します。
中国国家税務総局深セン税務局と前海深セン・香港近代サービス産業協力区管理局と共同で公表した公式解釈によると、下記のいずれに該当すると、実質的経営要件を満たせないということです。
(1) 生産経営の機能を備えず、協力区外の業務との財務決済・確定申告及び納税・領収書の発行等の機能がしかない場合。又、
(2) 登記住所と実際の経営住所と相違し、コンタクトを取れない若しくは実際の経営住所を提供できない場合。
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