隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

ピアノは切なさをブーストさせる~ロック大陸漫遊記

2021年07月08日 19時07分32秒 | スピッツ

  2021.07.04
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
  FM TOKYO



 7月も2週目!
 草野「お疲れな方も、全然お疲れではない方も、ちょっとした息抜きにしていただけたら」
 
 今まで楽器縛りということで、フルート、エレピ、ストリングスなど特集してきたが、今日は、【ピアノがいい感じのナンバーで漫遊記】。

 アコースティックピアノが使われている楽曲!
 ピアノが使われているロックナンバーは数限りなくあるので、「今日は草野のプレイリストからチョイチョイッと選んでみました」。


 オンエア曲
 01 楓(スピッツ)
 02 Brief Candles(The Zombies)
 03 Mister Pleasant(The Kinks)
 04 After The Gold Rush(Neil Young)
 05 Philosophy(Ben Folds Five)
 06 A Thousand Miles(Vanessa Carlton)
 07 Imagine(John Lennon)
 08 100ミリちょっとの(フィッシュマンズ)


 漫遊前の一曲は、スピッツで「」(1998年、8thアルバム『フェイクファー』/1998年、19thシングル)。
 プロデューサーの棚谷さんはエレピをあげていたけれど、「たしかにオシャレでポップな仕上がりになるだろうと思ったけれど、オレとしてはピアノにこだわりました」。
 哀愁感たっぷり。
 草野「寂しくて泣きそうな感じを表すにはピアノ。『ヒビスクス』とかもそうですが、寂しさをブーストさせたいときはピアノを使いたくなります」
 (うーん、ステキだ。ボーカルは淡々と歌っているのに、胸に迫る。スピッツのバラードがいいのは、そういうところ。『ヒビスクス』も『夜を駆ける』も・・・)

 最初の曲は、「60年代、イギリスのバンド」、The Zombiesの「Brief Candles ろうそくのように」(1968年、2ndアルバム『Odessey and Oracle』)。
 (なんと! 懐かしい! The Zombiesといえば、やっぱりコレ? アルバム『Odessey and Oracle』は全曲飽きずに聴ける、いい曲ばかり!)
ふたりのシーズン/ゾンビーズ Time of the Season/The Zombies

 アルバム『Odessey and Oracle』は草野くんも大好きなアルバムだそうで、「ロック、ポップスのヒストリーにおける、かなり重要なアルバム。全編美メロで捨て曲ナシ。ピアノやメロトロンが使われていて、せつな~い気分になれると思います」。


 さてさて、ここでピアノのルーツ。
 弦楽器の弦を棒で叩いたことから始まる。「ダルシマーという、琴の弦を叩く楽器がもっと進化した形」と。
 

 当時すでに存在していたオルガンの「鍵盤」というシステムを使うことで、まずチェンバロが誕生。これがピアノの原型。さらに大きな音が出せるように改良していく。

 1700年のころは「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(Clavicembalo col piano e forte)」(強い音も弱い音も出せるチェンバロ)という名称だった。
 その中の「弱い音」を表すpianoが正式な名称となった。
 草野「大きな音も出せるのにね・・・」
 チェンバロは、「アニメの『キャンディキャンディ』のオープニングのイントロの音! 世代が違うとわかんないかも」。
「キャンディキャンディ」アニメ主題歌 高音質 堀江美都子
 (「キャンディキャンディ」だー!)


 そして次は、The Kinksの「Mister Pleasant」(1967年、16thシングル)。
 この曲は、「いわゆるラグタイム風ピアノ、ホンキートンクピアノ、酒場で奏でられるピアノがいい味を出しています」。
 (ホンキートンクと言えば、やっぱり「Honky Tonk Women」。ホンキートックって何?と調べた思い出あり)
 草野「西部劇の酒場で鳴っているような、ちょっとチューニングがあまいピアノですね」
 ストーンズの「She is a rainbow」などで演奏しているニッキー・ホプキンスのピアノだそうだ。
She's A Rainbow (Live At U Arena, Paris)
 
 (これはライブ音源なので、ニッキー・ホプキンスの演奏かどうかわかりませんが。いい曲だなあ、と改めて・・・)
 (「Mister Pleasant」の歌詞の英語はとても平易なんだけど、とても深い意味も含まれているのか?)

 次は、Neil Youngの「After The Gold Rush」(1970年、3rdアルバム『After The Gold Rush』)。
 草野「ピアノと歌と、間奏でフリューゲルホルンが出てくるだけのとてもシンプルな曲」
 ライブでは彼の弾き語りだが、「ひょっとしたらスタジオでは違うかも」。
 1970年の大ヒットアルバムのタイトルチューン。「ニール・ヤングさんの代表曲と言ってもいい」。
 最近のライブのセトリにも入っているそうで、動画でそれを見たという草野くん曰く、「猫背のおじいさんがいきなりこんな美しい曲を弾き語るという・・・、それがもう鳥肌もののカッコよさで、これもギャップ萌えの曲と言えるかもしれないですね」と。
 (「ゴールドラッシュのあと」というタイトルと理解できる限りの歌詞から、豊かさだけを求めた狂乱の世界が終わり、人間がどんな未来を進むのか・・・、そんな壮大なテーマが浮かび、そこにあのピアノと独特の声の絡み合いが乗っかって、悲しくも美しい曲という印象。このアルバムは久々に聴きたい)

 次は、Ben Folds Fiveの「Philosophy」(1995年、デビューアルバム『Ben Folds Five』)。
 まだ、この番組でかけていなかった有名なバンド。「そういうバンド、多いかもね。ニルヴァーナとかもかけてなかったっけ? ま、そのうちかけると思いますけど」。
 (ココで「じゃないほう」をかけたりしてますけど。それでも楽曲やアーティストの時代背景などを説明するときに、例としてニルヴァーナの名前を何度も使っていますね)
 エレキギター大好き!な草野くんは、「ギターがないってだけで、(最初)Ben Folds Fiveを敬遠していた」。
(ちなみに、Ben Folds Fiveはピアノ、ベース、ドラムスのスリーピースバンド。)
 草野「でも、たまにラジオから流れてくると、かっこいいなあと聴き入って、結局、CDを買って聴いていて時期もありました。たぶんライブで聴いたら大感動していたと思う。これだけピアノが弾けたら、かっこいいですよね」
(ホント、カッコいい。デリケートな音も激しく鍵盤をたたくときも)


 メッセージコーナー。
 久々にアルバム『スピッツ』を歌詞カードを見ながら聴いたというリスナーさん。「聴き間違えていた歌詞があった」そうで、最近のアルバムではそうでもないのになぜ?と考えて、「草野さんの言葉の区切り方が変わったのでは?」と。
 草野くん自身は、昔と今では「歌い方が変わったなあ」と思うそうです。
 草野「1st、2ndは、活舌が悪いよね」
 また、歌い方を変えているところもあって、例として、「海とピンク」の「海を見て~♪」を歌い、「海」のところ、「膿」と聴き間違えされないように、「み」を少し下げて「海」に近づけたりしているそうだ。
 草野「最近のほうが、イントネーションとか、(自分の中で)厳しくなったかも」
 昔はいい加減だったかもしれないし、そのいい加減さも悪くはないのかな?と、今も迷いながら曲を作っているそうだ。

 次は、「わりと最近の方で」、Vanessa Carltonの「A Thousand Miles」(2002年、デビューアルバム『Be Not Nobody』)。
 草野「ラジオからよく流れていて、車に乗っているときに流れると爽やかになって、うれしいナンバーでした」
 爽やかだけど、「歌詞は思いきり悲しい失恋の歌」。「ピアノが切なさをブーストさせているのかも」
 草野「最近の曲と言ったけど、20年前の曲なんだね。月日の経つのは・・・」

 そして最後は、John Lennonの「Imagine」(1971年、2ndアルバム『Imagine』)。
 「個人的に、ピアノのナンバーというと最初に浮かぶのが、この曲ですね。そういう人、多いんじゃないかな。それか、ローリング・ストーンズの『She’s a Rainbow』」と。
 草野くんは中学のころ、音楽室のピアノで、イントロを延々と弾きながら「ジョン・レノンごっこ」をしていたとか。(中学生男子がジョン・レノンごっこって、なかなかレベルの高い遊びか?)
 ジョン・レノンが亡くなったとき中学1年だったが、担任がビートルズファンでかなりショックを受けていたことが記憶にあると。
 草野「中学生の耳にも、すごくきれいな曲だなあと感じていました。国家や宗教に対するアンチテーゼともとれるので、今後もロックのスタンダードとして聴かれていくのではないかと思います」
 (久々に聴いたけど、やはり心に響く。ジョンの声が刺さる。映像を見ると、ジョンの隣に寄り添うヨーコさんへの当時の複雑な思いが蘇るので、音だけで)(笑)


 特集の最後に。

 ピアノが入ったロックナンバーは「メチャメチャあるから、これは第二弾、第三弾とできそうですね。邦楽もあるからね」と。
 (今回は、すべての曲が懐かしい曲ばかり。全曲知っているという回は稀なので貴重。今日は「素直なロック大陸」?)



 そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
 (「夕日が笑う、君も笑う」??)
 曲は、フィッシュマンズの「100ミリちょっとの」(1992年、2ndアルバム『King Master George』)。
 7月に公開されるフィッシュマンズのドキュメンタリー。
 草野くんも文字でコメントを寄せています。
 https://www.universal-music.co.jp/fishmans/news/2021-04-21/
 フィッシュマンズの作品としてはポリドール時代のものが注目されがちだが、この曲のころには「葛藤もあったようで、興味深かったです。そのあたりのエピソードも映画でご覧になっていただきたい」
 この曲は、ロンドンを舞台にした、坂井真紀初主演のドラマ『90日間トテナム・パブ(The 90 Days)』の主題歌。全編ロンドンロケだそうで、「バブリーだなあ」。
 (それにしても、懐かしいだけじゃなく、気持ちに沿ってくれる、いい曲だな。雑誌のインタビューで、「彼女はスピッツファンじゃなくてフィッシュマンズが好きだったりするから(いい)」なんて言ってましたね)


 そして来週は、「ディスコビートなロックナンバーで漫遊記」。
 リズム縛りの特集。
 草野「今でこそ、Cold Playとかサカナクションなど、ディスコビートな曲を鳴らすロックバンドは全然珍しくないのですが、20世紀には『ロックバンドがディスコやんのかよ。日和ってんじゃねーよ』という声もきこえるくらいスペシャルなことだったようです」
 来週は、そんな70年代末、「ふだんはロックを演奏していたロックバンドが時代の波に乗ってリリースしたディスコビートな楽曲」の特集です!

 「草野さん、こんな時期にエアコン壊れて、えらい目にあいましたわ」


                              


 雑誌『GALAC』(コチラ)の次号の表紙は、「草野マサムネ」だそうです。
 特集が「ラジオのポテンシャル」なので、この番組つながりかもしれない。
 

ROCK IN JAPAN FES. 中止へ
 https://www.oricon.co.jp/news/2199361/full/

 後藤正文さん(ゴッチ)
  https://note.com/gotch_akg/n/nd5f787e9316c
 野田洋次郎さん
  https://twitter.com/YojiNoda1/status/1412812774544076806
 ほかにも・・・
  https://jisin.jp/entertainment/entertainment-news/1998235/

 アーティストの捉え方も怒りの内容も強さもそれぞれかもしれないけれど、オリンピックとの関連で、矛盾ややりきれなさ、怒りを抱いていることが伝わる。
 とくにこのフェスについては、春のJAPAN JAMを無事に終えて、地道に準備してきた過程を伝え聞いているので・・・。


                              


 届いた「紫の夜を越えて アートエディション」の幻想的なジャケット、手触りを味わう。
 シングルのレコード(ドーナツ盤?)というものを久しく手にしていなかったから、これも涙もの。
 手書きの歌詞カード(ノートかメモに書かれている感じ)を見て、懐かしくて、ついつい『フェイクファー』のCDをラックから取り出してしまった。
 鬱陶しい日々が続く中、ちょっとした清涼剤のようなプレゼントをもらった気分だ。


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