■溶ける惑星
奇妙に暖かい冬の朝
くずれそうな景色が 危なく揺れる
駐車場のネコたちが 腹を見せて
ノドを鳴らして 誰かを誘う
冷たいはずのコンクリートに
響く靴音も なまけ気味
枯れ木の古い幹が溶け始めている
砕けて 流れて 形をなくして
この星は 50億年の歴史を失う
人も 動物も 思いも 涙も
ごちゃまぜになって 還っていく
どこまで戻れば 指先の痛みを
自分のものにできるんだろう
高架のホームで 風を受ける
春とはちがう みだらな甘さ
記憶の底の季節をさがして
あわてた光が 冬眠から覚める
ふらふらと宙に舞う 子どもたち
蜃気楼の先に ぼやけた着地点
奇妙に暖かい冬の朝
くずれそうな景色が 危なく揺れる
駐車場のネコたちが 腹を見せて
ノドを鳴らして 誰かを誘う
冷たいはずのコンクリートに
響く靴音も なまけ気味
枯れ木の古い幹が溶け始めている
砕けて 流れて 形をなくして
この星は 50億年の歴史を失う
人も 動物も 思いも 涙も
ごちゃまぜになって 還っていく
どこまで戻れば 指先の痛みを
自分のものにできるんだろう
高架のホームで 風を受ける
春とはちがう みだらな甘さ
記憶の底の季節をさがして
あわてた光が 冬眠から覚める
ふらふらと宙に舞う 子どもたち
蜃気楼の先に ぼやけた着地点