kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

三重スパイ

2008年11月01日 | ★☆☆☆☆
日時:10月31日
映画館:広島市映像文化ライブラリー
その他:フランス映画特集の1本として上映。

舞台は第二次大戦直前のフランス。主人公はパリ在住のギリシャ人女性で、夫は元ロシア白軍の将軍で現在、亡命者からなる在仏ロシア軍人会の重要なポストに就いている。

戦雲急を告げる中、元将軍の夫はフランス、ソビエト・ロシア、ナチス・ドイツなどと水面下で交渉と続けているが、妻には何も知らせない。夫はどの体制のために働いているのか?妻の疑念は深まっていく・・・というようなお話なのだが・・・・

はっきり言って、つまらん。

一応、史実をベースに脚色を加えたことになっているが、基本的に妻の視点で物語が進行し、夫の将軍が何をしているのか全く描写されないまま、全ての事件と政治状況が夫婦の会話の中で説明される。

緊張する敵対国の間を綱渡りし、一つ間違えれば逮捕・処刑とか事故死を装って葬られる話なのだから、描きようによってはいくらでも面白い話になりそうなものなのに、そういった緊迫感が全然、伝わってこない。じゃあ、何かしらの真実に気付いた妻の身に危険が迫るかと言えば、そういった兆しさえもなし。見た目、不倫中で妻の前でぼろを出さないようにしている男の話と違いがないのだ。

時代背景の説明として当時のニュース映像が流されるが、トハチェフスキーの粛清などある程度、時代背景を知らないとついて行けない部分も多い。これじゃ、事実上、日本公開されなかったのも無理はない。

エピローグで事件の顛末らしいものが語られるが、あまりにも唐突で「結局、それで?」という感じはぬぐえない。

これで「三重スパイ(Triple Agent)」では、ちょっと悲しい。






題名:三重スパイ
原題:Triple Agent
監督:エリック・ロメール
出演:カテリーナ・ディダスカル、セルジュ・レンコ
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バンテージ・ポイント

2008年03月14日 | ★☆☆☆☆
日時:3月11日
映画館:バルト11
パンフレット:A4変形700円

8つの異なる視点から見る大統領狙撃事件!って、この手の映画は何をどう書いてもネタばれになるからつらい。で、こういう凝った作りの映画は、大当たりか、きわどいハズレか両極端なんだけど、この作品はどちらかと言えば後者。(レイトショーで帰りのバスがなかったから、1時間弱歩いて帰ったことも厳しい評価に影響していると思う。(苦笑))

まず、画面の作りが安いというか、どうもリアリティに欠ける場面が散見される。シュプレヒコールを上げるデモ隊の前を大統領が歩くとは思えないし、シークレットサービスが警護開始30分前にまだ着替えもすませていないというのは、すでに職業人としてどうなのかと思う。

と、画面という外見からすでにマイナス点がついてしまった上、大統領狙撃の裏には、実はXXで、さらに実はXXなどとドンデン返しを重ねすぎるので、ちょっとしんどい。ドンデン返しのためのドンデン返しという脚本はいかがなものかね・・・。

さらに、展開として○○と××が実は思いがけないところで接点があったとか、意外な△△な伏線だったというカタルシスが欲しいのだが、この映画は単に時系列と視点を再構成しているだけなので、例えば「ユージュアル・サスペクツ」を見たときのような驚きは感じられない。ブライアン・デ・パルマの映画なんか、「ケビン・コスナーとビリー・ドラコが実はお互い気付かないまま階段ですれ違っていた」みたいな「思いがけない接点」を見ているだけでも楽しいのにね。

う~ん、この豪華なキャストは一体何に惹かれてこの作品に出たのだろうか。(設定は面白いんだけど。)

ところで、○○を×××の中から△△するラストシーンは、あまりのご都合主義に笑ってしまった。







 題名:バンテージ・ポイント
原題:Vantage Point
監督:ピート・トラヴィス
出演:デニス・クエイド、マシュー・フォックス、フォレスト・ウィテカー、ウィリアム・ハート
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TAXI4

2007年08月27日 | ★☆☆☆☆
日時:8月26日
映画館:バルト11
パンフレット:A4変形 600円

「ダイハード」同様、「TAXI」シリーズも1からしっかり観てて、特に日本車が敵役だった「2」なんて、「プジョーと千葉ナンバーの三菱車がフランスの公道でカーチェイスした挙句、戦車に激突する。」というアクションとバカバカしさのバランス感覚が最高で、その年のベスト映画の1つだった。

このまま世界各国の車とバカバカしいアクションを繰り広げてくれればと期待したものの、「3」では完全に自滅。カーチェイスもアクションも手抜きなら、ストーリーも支離滅裂。「TAXI」シリーズももう続かないだろうと思ったら、「4」の登場だよ。

初心に返ってヒットを飛ばすか、ニの轍を踏んで自爆するか、気になったが、結果はどちらかというと後者。主役もサミー・ナセリのダニエルからジベール署長に完全にシフト。(サミー・ナセリの稲妻剃り込みが実際の剃り込みからカラーリングで誤魔化している辺りからして、気合の入れ方に問題があるだろう。)
なんだか、途中からクルーゾー警部の映画になった「ピンクパンサー」シリーズのようだ。

こっちはカーチェイスを見たいのに、だらだらと掛け合い漫才を見せられ、結果、プジョーが激走するのは最初だけという体たらく。どうもリュック・ベッソンは信用がならねえ。

う~ん、もう「5」があっても劇場には見に行かんぞ。(っていうか、続けられるんだろうか??)
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V フォー ヴェンデッタ

2006年05月02日 | ★☆☆☆☆
日時:5月1日(すっかり忘れていたけど、映画の日だった。)
映画館:東洋名画座
パンフレット:B5版700円

近未来、全体主義の独裁国家。圧制が敷かれ、人民は抑圧される。体制に戦いを挑む、復讐に燃えるテロリスト。

アウトラインだけで、血沸き肉踊りそうなものなのに・・・なぜこれだけ盛り上がらない!

まず何といっても、新生大英帝国の描写がダメダメ。圧政が目に見えてこない。帝国の描写といえば、がなるジョン・ハートと全然新鮮味の無い公安警察、気持ち程度の国旗とさみしいことこの上ない。

狂信的な体制支持者もいなければ、独裁国家にありがちな制服文化もない。国家への忠誠を示す儀式もない。国民に対するそれらしい締め付けも苦しい生活もない。他のヨーロッパ諸国の現状もよく分からない。

「未来世紀ブラジル」とまではいかなくても、せめて「華氏451」くらいの描写は欲しい。「ニューヨーク1997」なんかほんの一部の描写で、背景にある警察国家が感じられたぞ。「1984」のイングソックの方がまだカッコ良く思えるのだから、致命的だ。

原作を読んでいないので、間違っているかも知れないが、“V”の象徴的な行動や場面が多くて、何を言わんとするのか、イマイチよく分からん。
小難しいセリフを連発するのはいいけど、そこから見えてくるものがない。(単に語学力と知識の不足?)どうも「マトリックス リローデッド」のラストを髣髴とさせるよね。

おまけに(以下、ネタバレ、必要の応じ反転されたし)「君に恋してしまい、生き方を変えた。」なんてオチはクサすぎないか?

その他の顔ぶれはイギリスイギリスしてて、暗くて良いけど、キャラに深みがなく、月並み。

派手な見せ場も予告編どおり・・・。やっぱり、体制側は不穏分子無神論者反動勢力アナキスト革命家ども(ゲッベルスな口調でお読みください。)をもっと厳しく弾圧するように。映画として盛り上がりません。
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ダイヤモンド・イン・パラダイス

2006年02月26日 | ★☆☆☆☆
日時:2月25日
映画館:松竹東洋座

元007は世界的な大泥棒。引退試合をやってのけて、カリブ海に隠居したものの、ライバルのFBI捜査官が追っかけて来た上、目の前には世界的な秘宝「ナポレオン第3のダイヤ(プップッ、吹き出しそうなクサイ名前・・・)」を乗せたクルーズ船がやって来て・・・。

誰が見ても実写版「ルパン三世」、どう調理しても面白くなりそうな映画なのに・・・盛り上がらん。

ブロスナンが泥棒の世界に舞い戻るかどうかの心理サスペンスの比重が大きく、肝心のクライムサスペンスが少ないため、どうももたついた印象を受ける。結局、どっちつかずのストーリー展開が致命的。

キャスティングも全体にミス・キャスト。
ブロスナンは中年太りの一歩手前で、魅力なし。
ハレルソンも、ただのバカにしか見えない。
話をひっかき回す役のドン・チードルも、全然彼でなくて良い役。

まあ、この程よいB級感覚がブレット・ラトナーらしいところ。ある意味、安心して観れたなあ。
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フライトプラン

2006年01月30日 | ★☆☆☆☆
日時:1月29日
映画館:TOHOシネマズ
パンフレット:A4横版600円。ジョディ・フォスターのインタビュー掲載

巨大ジャンボジェット機(字幕では8474、パンフではE-474。どっちが正解?)で行方不明になった娘を探すジョディ・フォスター。誘拐か妄想か?なんて、ワン・アイディアで突っ走るが、ミステリーとしては穴だらけ。
ジュリアン・ムーア主演なら許せるけど、ジョディ・フォスター主演じゃダメだ。(どんな偏見だ。)

以下、ネタバレなので、すでに映画を観た方は反転させてご覧ください。未見の方はご覧にならないことを強くお勧めします。

まず、何で子どもを誘拐する必要があったのかが、わから~ん!(ジョディを犯人に仕立てるため?別に犯人に仕立てなくても、すでに爆弾を持ち込めているんだから、いいじゃん。)

どうやって、夫の殺人と棺桶の輸送と客室乗務員の彼女と航空公安官の勤務シフトを合わせたの?(ジョディが一便ずらしたら、全てパーじゃん。)

なぜ、誰も犯人の客室乗務員の彼女を疑わ~ん?(病院の記録とか、機内調査の結果とか、ちょっとでも再チェックされたら、終わりじゃん。)

どうして、航空機の中で撃ち合いをやっているのに、SWATは手出しをしない?(ニューファンドランドの田舎には、SWATがいないのか?FBIはいるじゃん。)

何で、ジョディは爆弾のスイッチを押したの?(彼女は航空機の専門家かもしれないけど、爆弾は門外漢。飛行機全部が吹き飛ぶような威力だったらどうするつもりなのか。緊急着陸したんだから、少なくとも航空燃料は残っているじゃん。)

とまあ、穴だらけ。蜂の巣状態です。


この際だから、はっきり言わしてもらうけど、ふにゃららら・・・(はっきり言うんと違うんかい!)

だいたいミステリー映画なんて、どうとでも突っ込みようがあると思うけど、どれだけ上手くウソをセリフや演技に盛り込むかが重要。観終わってから(観ている最中でも)突っ込みポイントがすぐ出てくるようじゃ・・・。
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ファンタスティックフォー[超能力ユニット]

2005年09月26日 | ★☆☆☆☆
日時:9月23日
映画館:TOHOシネマズ
パンフレット:A4版600円。ジェシカ・アルバのインタビュー掲載。

■超人になったら悩まず、さっさと戦え!
早い話、「ゴレンジャー」から「マジレンジャー」に到る戦隊モノの第1話です。「4人の宇宙飛行士が超人になって、悪と戦う。」ああ、なんて分かりやすいんだ。(まあ、原作はこちらが先ですけど。)

逆に言うと、見慣れたフォーマットなので、新鮮味がなく、30分で済む話をチンタラ2時間にしている錯覚を受けます。ラストの対決は多少は面白いけど、想定内。

こうなると魅力的な悪役がストーリーを救わなくてはならないのですが、これまた悪役のキャラも弱く、ほとんど何も悪いことをしていない。超人化した悪人なら、もっと悪事を働け!原作のキャラを無理に出さず、犯罪組織とかテロリストが悪役の方が面白かったような気がする。

それに橋げたのシーンとか、熱線追尾ミサイルのシーンなどストーリーにつじつまが合わない部分があるのは難。

キャスティングが地味なこともあって、TVのパイロット版を観たかのよう。TVシリーズなら充分楽しめるけど、映画館ではツライ。

ところで、主人公の一人マイケル・チキリスがWOWOWでやっていた「SAS英国特殊部隊」の主役にそっくり。おかげで吹き替えをしていた大塚明夫の声が聞こえて仕方なかった。
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奥さまは魔女

2005年09月13日 | ★☆☆☆☆
日時:9月9日
映画館:TOHOシネマズ
パンフレット:B5版600円。主演2人、監督のインタビュー掲載。ラブ・ロマンスものだけあって、デザインがとてもきれい。

■アレンジに失敗!
ニコール・キッドマンって、本当にキレイ。年々、美しさを増しています。
で、TVシリーズ「奥さまは魔女」のリメイクの主役が、本当の魔女というお話なのですが・・・

大胆なアレンジが裏目に出て、話に乗れないです・・・。「往年のTVシリーズ映画化一覧(失敗編)」に追加されそう。

なんと言っても、主役2人が余りにも不釣り合い。
イザベルのキャラがよく分からない。天然ボケ系なのか、世間知らずなのか、気が強いのか、一本通ったものが感じられない。ニコール・キッドマンは眉間に力の入った厳しい顔のキャラの方が数段、いいなあ。

ウィル・ファレルもアクが強すぎて、ダメでした。決して嫌いなキャラじゃないんですが、ニコール・キッドマンと一緒になると嫌味が強すぎる。二人のキスシーンは「止めてくれい」と叫びそうだった。

逆にマイケル・ケインは相変わらず、イイ味です。正直、笑えるのは彼のパートだけです。

まあ、シットコムの製作現場はなかなか興味深いけど。

ところで、オリジナルのTVシリーズじゃあ、変なところから呼び出されるDr.ボンベが好きでした。(行きつけの理容店の大将が、彼によく似ていた。)
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サハラ

2005年06月07日 | ★☆☆☆☆
日時:6月7日
映画館:松竹東洋座
その他:試写会

■学生時代の懐かしいノリです。
2005年になって、ダーク・ピットがスクリーンに登場するなんて思ってもみなかった。この人って、20年くらい前にタイタニックを引き上げていましたね。

一言でいうなら、白人のグリンゴがアフリカで好き勝手するという、お気楽ノー天気アクション映画です。80年代の「ロマンシング・ストーン」とか「ナイルの宝石」と同じノリです。懐かしいなあ。(そういやあ、ブルック・シールズ主演の「サハラ」って映画もありましたっけ。)

映画のオープニング、南北戦争末期の装甲船の攻防はなかなか見せてくれます。「ワイルド・ワイルド・ウェスト」なんて足元に及ばないカッコよさで、この映画、もしかしたらと思わせますが・・・
そこまででした。

あとはリアリティのかけらもなく、マシュー・マコノヒーの罪の無い笑顔にごまかされながら、ご都合主義で話が展開します。(装甲船で大西洋は渡れないって、車はそんな簡単な構造じゃないって、それは無理だって・・・)まあ、「そんなことあるか~い!」と突っ込みを入れながら観るには楽しい映画です。

ところで、タイトルの「サハラ」ですが、ナイジェリアもマリもサハラじゃないんじゃないの!
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ハウス・オブ・デッド

2005年05月22日 | ★☆☆☆☆
日時:5月22日
映画館:広島バルト11
パンフレット:パンフレットはなく、代わりにプレスシートが400円で販売されていました。

■ファッキン・ロメロ・ムービー
5月21日から「ザ・インタープリター」だの「デンジャラス・ビューティー2」だの「クローサー」が公開されている中で、何もこれを観ることもないんですが、「若者たちが死人の島に行く」というのには弱いなあ。

で、死人の島に行ったのは、映画そのものでした。ビデオで観てたら、間違いなく早送りです。

風体のあやしい人間を問答無用で撃ち殺すだけという身もフタもヒネリもない演出で、サスペンスもホラーも何もあたもんじゃありません。
ユルゲン・プロポノフ演じる役名が「カーク船長」とかロメロ三部作に触れるというような軽いギャグを折りまぜるも、すべて滑っています。
何よりもマズイのは、原作ゲームの画面を出すという演出。それは反則というか、手抜きでしょう。

80年代、どーでもよいホラー映画を劇場で観ていた頃を思い出しました。ラストは一味違っていて面白いと思ったけど、このオチってすでに「ゾンバイオ 死霊のしたたり」でやってましたね。

でも、ハズレ映画を劇場で観るもの、決して嫌いじゃないんですよね。(笑)
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