kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

シビル・ウォー/アメリカ最後の日

2024年10月06日 | 年間ベスト3
日時:10月4日
映画館:イオンシネマ広島



オーストラリア在住の知人が「面白かった」とアップしてて、早く観たかったワタシの好きなディストピア映画。配信にもならず、劇場公開されて一安心。

現代のアメリカ、大統領は3期目に突入し、カリフォルニアとテキサスを中心とした西部勢力が現政権に反旗を翻している。フロリダも一大連合を結成しており、アメリカは内戦(シビル・ウォー)状態に。
自国民に空爆も辞さない大統領の独占インタビューを取るべく、ニューヨークに滞在していたジャーナリスト達がワシントンDCを目指す。

【以下、ネタばれあり】
予告編ではクライマックスにあたるドンパチが中心の構成となっているが、実は映画の4分の3くらいまで派手なドンパチは起こらず、ニューヨークからワシントンDCを目指すジャーナリスト4人のロードムービーとなる。
ニューヨークからワシントンDCまで最短距離は激戦地だったり交通封鎖だったりで、大きく迂回することになり、途中、内戦の惨い現状を目の当たりにする。

内戦を巡る政情はほとんど描かれることがなく、西部勢力の盟主が誰かとか、全米の戦局とか不明のままで、その辺はより観たかった反面、まあ描き出すときりがないし、どこかでリアリティが消失してしまいそうだから、ここは好意的に受入れよう。

ジャーナリスト4人はワシントンDCに至るまでに様々な暴力的な連中に出会うが、それが進撃を続ける西部勢力の兵士なのか、守勢の現政権の兵士なのか、ボランティアやミリシアの民兵なのか、ただ軍服をまとった過激な集団なのか、ほとんどわからない。
誰とも分からない連中が銃を持って、殺し合っているって、銃社会アメリカの写し絵なんだろうな。

どうにかこうにかワシントンDCにたどり着くと、現地は第二次世界大戦のベルリン攻防戦状態。遂に西部勢力はホワイトハウス攻略に取り掛かる。よくできたセットでの市街戦がなかなか盛り上げてくれる。ジャーナリストの皆さん、ヘルメット被ってください。

主演の報道カメラマンはキルステン・ダンスト。昔からヒロイン顔立ちとは思わなかったが、遂に顔立ちと年齢のバランスが合致した役どころにたどり着いたって感じで、存在感が際立っている。

インタビューを取りたいジャーナリストはワグネル・モウラ。ヒゲで分からなかったが、ブラジルの暴力ポリス映画「エリート・スクワッド」の隊長だった人。事前に分かっていたら、大暴れすることに期待してたところなのだが、報道と個人的感情の狭間に揺れ動く。

ここに相乗りするのが「エイリアン/ロムルス」のヒロイン、ケイリー・スピーニーの報道カメラマン志望。もちろん内戦のど真ん中に放り込まれて、サディスティックな仕打ちを受け、ゲロまで吐く羽目に。(ゲロ・プロフェッショナルのワタシから見てもよく出来ている。)155センチと小柄で奮闘するから、応援したくなる。

あと、ノンクレジットでジェシー・プレモンズが出演。これがなかなか強烈な役どころで、素晴らしい。

アメリカの行政や軍機構としていきなりこんな内戦になるとは思えないが、リアルな描き方で明日にも起こりそうな空気感の醸し出し方が素晴らしいので、
評価は
★★★★☆

ところで、近未来ではなく、明日ディストピア映画が大好きなワタシとしては引き続いて「トゥモロー・ワールド」を観たのでした。すでに人類には子供が生まれなくなっており、2027年の世界はテロと暴動と抑圧が蔓延する世界となっております。
3年後の世界がそうなっていないと誰が言える。






題名:シビル・ウォー/アメリカ最後の日
原題:CIVIL WAR
監督:アレックス・ガーランド
出演:キルステン・ダンスト、ワグネル・モウラ、ケイリー・スピーニー、ジェシー・プレモンズ

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