kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ウルトラマン創世紀展

2013年04月18日 | 展覧会
ウルトラマン創世紀展
会場:ふくやま美術館
会期:2013年4月13日(土)~6月16日(日)

1ヶ月ほど前、職場でのこと。
「今度、ふくやま美術館で「ウルトラマン展」があるそうですよ。行かないですか?」

何それ!?ワタシとしたことが、全然ノーマーク。
慌ててネットを叩くと、来年度予定表の中に記載されているではないか。年度初めは広報のタイミングが悪く、こういうことがあるのだが、人に教えてもらうとは何たる不覚。

しかも、イベントも用意されていて、森次晃嗣や黒部進のトークショーもあるじゃないか!ウルトラマンに洗礼を受けた者なら、一度は見てみたい!!

てなことで、開幕初日に森次晃嗣と高峰圭二を見るために、ウチの小僧と一緒に福山まで車をぶっ飛ばすこととなった訳です。(黒部進と桜井昭子も見たかったが、あいにくゴールデン・ウィークの仕事とバッティング。「フラワーフェスティバルに出勤しなくてもいいですか?」という選択肢もあるのだが、GW明けに春の雨がごとき冷たい視線に耐えられるほど、神経は太くない。)



9時前にふくやま美術館に到着したが、早くも行列。幸い、先着150名に対して46番・47番。取りあえず、一安心。開館を待つ間、ウチの小僧はハイテンションでひとりぺらくちゃと喋っており、そのテンションゆえか遠目に会場入りする森次晃嗣と高峰圭二も発見。

さて、まずは展覧会から。
今回の展覧会はQから80までのウルトラシリーズを展望するといった形で展開され、それぞれのウルトラマンごとに区分けされ紹介されているのが特徴。その合間に製作者側の美術作品が展示されている。

過去の展覧会「ウルトラマン天空大博覧会」と「ウルトラマンの伝説展」で見たこともある作品も多いが、美術スタッフの数々の作品はやはりワクワクしてくる。
中でも一番興奮したのが、高山良策の自作の造形工具の数々。使い込まれたそれらの工具の存在感に食い入るように眺めてしまう。(←ウルトラシリーズと関係がない。)

マットジャイロのモックアップを見たウチの小僧が「プロペラに字が書いてある。」と言う。まさかと思ってよく見ると何かの裏紙をつかったらしく、それが透けているのだが、この辺にも現場の空気が感じられる。また、怪獣のデザイン画にしても、余白に書き込まれた製作スタッフに対する指示・要望に現場感がヒシヒシと伝わってくる。

今回、面白いのが地球防衛チーム側の装備にも重点が置かれていることで、制服装備一式がちゃんと揃えられているのが興味深い。(というか、今回の展覧会の見どころかも知れない。)フジ隊員って思った以上にちっちゃい。(笑)

ただ、全体的に美術展というよりは最近流行の「TVシリーズのフェア」的な要素が強い気がしないでもない。出展物に「倉庫の奥の方から出してきました」というマイナー感が漂うし、なぜか成田亨について一言も触れられていない。解説にしても、表面をなぜただけで突っ込んだものがなく、喰い足りなさが残る。

例えば、隊員の制服の説明で「赤と青を基調とした」なんて書かれているのだが、それは見れば分かる話で、なぜ、そうなったのかについての説明はない。画面に映えるとか、当時の流行とか、美術館としての説明が欲しい。特に隊員の装備がどんどん現実離れしてゴテゴテしていく変遷が一度に見られることなんてこの展覧会だけだろうから、ちゃんとした解説が欲しかった。(言うまでもなくZATの装備は異常。)


【出口の迫力のタペストリー】

そうして展覧会の興奮も醒めぬまま、おまちかねの森次晃嗣と高峰圭二のトークショー。
自分が小さい頃から身近だがTVでしか見ることができない存在だっただけに、最初に登場された時には、感動のあまりちょっと涙。まあ、お二人とも元気。そういえば、Aの第一話って舞台が福山市で、北斗星司はパン屋のドライバーだった。もちろん、そのことにも言及される。ちなみにこの第一話は広島が舞台になるはずだったらしい。



お二人は良い意味でも悪い意味でもトークショー慣れしていて、一方、司会進行のふくやま美術館側が全然こういった進行に慣れておらず、ものすごくグダグダの展開。ウルトラシリーズともなると、お子様たちビギナーから追っかけまでファン層が幅広いから、平均的に面白いトークを展開するのは難しいが、もう少し展開に工夫があっても良いのではないか。サイン会込みの予定時間が1時間半で、こんなトークショーが1時間も続いたらキツイと思っていたら、30分で半ば強引に終了。いいのか、悪いのか。

ただ、そんな中、森次氏が語った「いつでも街中で見られているということは意識している。だから、いつも背筋をピンとしていなくてはならないという思いだ。」という言葉に、期せずして一生もののヒーローになってしまった男の苦悩が感じられた。

「キリヤマ隊長役の中山氏は若いメンバーによくおごってくれた。(ちなみにキリヤマ隊長は40歳という設定。ワタシより若いのだ!)」とか「セブンの後、円谷英二が亡くなり、セブン前とセブン後で全く変わってしまった」とか「Aは視聴率が20%を超えたことがなかった」なんて話も興味深かった。

ところで、最後のサイン会でぼ~っとしていたウチの小僧、高峰圭二氏から声をかけられた。

「おい、どうした。元気がないじゃないか!」(もちろん、北斗星司の声で。)

ウルトラマンAから説教されるなんて、うらやましいやら情けないやら。(笑)






【お土産に買ったウルトラ警備隊とMATの一筆箋】


【でも、こんなメモが渡されるとしたらイヤだ。】
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