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kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

セント・アンナの奇跡

2009年08月23日 | 洋画(良かった、面白かった、気に入った)
日時:8月22日
映画館:サロンシネマ
パンフレット:B5版600円。

現代と過去をつなぐパートはとりあえず置いておいて、舞台は第二次大戦のイタリア戦線。上官のトンチンカンな命令で交戦地帯のど真ん中に取り残された4人の黒人兵がイタリア人の少年を見つけ、さらに田舎の村にたどり着く。

少年や敵とも味方ともどっちつかずの村民と徐々に交流を深めていく4人の兵士だが、村にパルチザンがやって来て、さらにドイツ軍の攻撃が近づく・・・。

主な登場人物がアメリカ兵、イタリア人、パルチザン、ドイツ軍と10人以上いて、各人が持つドラマを背景を描いている。(原作が邦訳されていないのが残念。)

さらに英語、イタリア語、ドイツ語と、きちんと母国語を話すあたりリアルで好感が持てるだが、その分、話がまどろっしくなってしまうのはやむ得ないところ。(さらに少年はある事情で、きちんと話しすることができないので、さらにやきもさせられる。)

立場も言葉も違う人間の思惑が交錯し、思わぬ事件を引き起こしていくあたり、コミュニケーションの難しさがこの映画の裏テーマとしてあるようにも思える。

監督がスパイク・リーなので、当然、黒人の受難が描かれ、それに対する4人の兵隊の反応も様々でドラマに深みがあるんだが、やはりこの辺の事情は日本人のワタシには感情移入しづらいのは、仕方ないか。

上映時間は2時間40分もあり、正直なところ、全体の流れから不要と思える冗漫なシーンも多いが、反面、戦闘シーン(フェイクだと思うが、88ミリ砲まで出るとうれしくなってしまう。)やセントアンナのシーンなど近年の映画らしいリアルさに満ちており、言うまでもなくワタシは大好き。秋の雨が降るトスカーナでのロケーションも素晴らしい。

ストーリーが進むにつれ、オープニングで高齢の黒人がなぜ一般市民を射殺したか判明していき、ラストシーンで本物の奇跡が待っている。この手のエンディングに弱いワタシはかなり涙。カメオ出演かと思えたジョン・レグイザモの登場も活きようというもの。(笑)

ところで、ドイツ軍将校役がまたクリスチャン・ベルケル。「ヒトラー最期の12日間」「ブラック・ブック」「ワルキューレ」と「21世紀のアントン・ディフリング」かのような活躍ぶりだね。

題名:セント・アンナの奇跡
原題:Miracle at St.Anna
監督:スパイク・リー
出演:デレク・ルーク、マイケル・イーリー、ラズ・アロンソ、オマー・ベンソン・ミラー、マッティオ・シャボルディ、ルイジ・ロ・カーショ、クリスチャン・ベルケル
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (がっちゃん)
2009-08-24 01:36:32
この映画、私はあらすじをHPで見てから行っちゃったんです。なので彫像の頭部を巡る謎解き事件だとばかり思っていったので、あの3時間弱は長すぎました・・・
ジョン・レグイザモはあまりにチョイ役だったので、正直「へっ?」って思いました。
トラックバック送らせて頂きますね。
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確かに長い・・・ (kamacci)
2009-08-24 23:03:54
コメントありがとうございます。
トラバも見ましたよ。

確かに長いですね。ジョン・レグイザモの画商とか(何かの伏線かと思っていた。)、アクシス・サリーのシーンとか、誤射で電気がつく場面とか(何かの隠喩?)、ドイツ軍の将軍が脱走兵捜索を命じるくだりとか(脱走兵捜索が最重要課題の軍隊って・・・)、書き出したらキリがないです。

原作を読むことができたら、もっと印象が違うのかも。
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