神奈川絵美の「えみごのみ」

リボンに花房飾り -更紗のきもの展にて-

11月の出窓……

関東でも紅葉がだんだん、見ごろに近づいてきましたね。



週明けに、東京都東部の医療機関で打ち合わせ。

選んだ一揃いは……

山形の白鷹織。柳の先染め、綾織のきものに
澤田麻衣子さんの紅葉帯。
帯揚げ、帯締めはきねやさん。
羽織は週末にも着た、抽象的な紅葉柄で。

後ろはこんな感じ。

お太鼓の紅葉も、見ごろを迎えました。
(以前にも書きましたが、この帯はお太鼓を出す場所によって、
色づき始め→見ごろ→名残(柿渋の一色染)と変えることができます)

上半身は、こんな感じ。

少し前の記事で紹介した補整をして、
帯から上が少しふっくらしたような。
完璧ではありませんが、しわやへこみが
目立たなくなりました。
(今となっては身幅がとても広い、巨大きものなのです
時間がなくて、横からの写真を撮れなかったのですが、
機会があれば、記事内で比較してみたいと思っています。


さてこの日、都心まで向かったところで、
滅多にないことなのですが、先方の都合で打ち合わせが延期に。
このまま引き返すのも…と思い、

新宿の文化学園服飾博物館で開催中(~21日)の、
「更紗のきもの展」を観に行くことに。

あまりゆっくり見られなかったのですが、
インド更紗の発祥から、ヨーロッパとの交易時代、
そしてオランダ経由で日本に入ってきてからの
江戸~近代の文様の変遷が、
時系列でわかりやすく紹介されていました。

特に印象に残ったのは、
ヨーロッパとの交易が始まったころのインド更紗。
どこでどのように情報を仕入れたのか、
西欧受けが良いように、リボンや花のタッセルといった
柄が入っていて
(ああ、当時のインドにとっては、こうした柄が
ヨーロッパの象徴だったんだなあ)と、微笑ましい気持ちで鑑賞。

外国人が日本のイメージを「富士山、芸者」などと言うのと
心理的には同じなのでしょうか。

また、日本における色柄の変遷も
特に大正時代、化学染料が身近になってきてからの見本帖が
色鮮やかで、ぐんと“今っぽく”なっているのが目を引きました。


更紗に関しては

昨夏に文化村ザ・ミュージアムで観た
西洋更紗「トワル・ド・ジュイ」展が記憶に新しいところ。

17世紀に入ってきたインド更紗が大流行して、
伝統的な羊毛産業が廃れそうになったため、
1686年にインド更紗禁止令が発令。
何と73年間も続き、ようやく解かれたとき
フランスにはすでに、更紗の継承者がいなくなっていた……。

そこに登場した救世主がドイツのプリント技師で、
トワル・ド・ジュイ誕生! というお話でした。

そのときのレポのリンクを貼っておきますね→コチラです。
両方を知っておくと、更紗の歴史が頭の中でよりダイナミックかつ
ワールドワイドに紐解かれていくかも知れません。


※「更紗のきもの展」公式サイトはコチラ

コメント一覧

神奈川絵美
朋百香さんへ
こんにちは
小林先生に教えてもらった方式で、
衿がぴったり、動かなくなりました
ただ、衣紋を思い切り抜かないと
戻ってきてしまうので・・・これは私のやり方に
改善の余地あり、だと思います。

バティック、いいですね~ろうけつ染めのジャワ更紗
ですね。
オリエンタルでちょっとミステリアス。朋百香さんの
雰囲気にぴったりと思います
朋百香
http://www.tomoko-358.com
絵美さま
こうしてお写真を拝見すると確実に着付け教室の効果が出ていますね。襟元もスッキリしてとても「いい感じ」ですよ。
「更紗のきもの展」いいですね、更紗好きとしては、見てみたい。ちょうど私もインドネシアのバティックの帯をアップしたところですが、これも更紗ですよね?
神奈川絵美
misalynさんへ
こんにちは
記事がお役に立てたら、嬉しいです
私、学生時代に世界史、美術史が好きで、
今も何かと比較したり、時系列を追ったりするのが
好きなんですよね

西洋更紗ってスウィートでシュガーな感じ(? 笑)が
します。和更紗の着物は結構、渋めなものが多いですよね。

神奈川絵美
香子さんへ
こんにちは
巨大きものって身丈も結構あって、
おはしょりがたくさん出てしまうのも嫌なんですよね・・・。
一昨年の暮れに、木村孝先生が指定くださった
寸法のきもの(英さん)がとても着やすいので、
今後はその大きさで、と、
そのメモを大事にとってあります

そうそう、襦袢! カッコ良かったですよねぇ
misalyn
絵美さんの日記は、過去へのリンクがあって復習したり繋がりを確認できたりするので勉強になります
( . .)φメモメモ

個人的には、和更紗を(自分の世界に)取り入れる難しさを感じますが
この日記を拝見して、西洋更紗は好きなんだなぁと思いました
西洋更紗は包み紙などにも利用されていて身近だからでしょうかね
香子
絵美さん、ずんと痩せられたから
ほとんどのお着物が身幅余ってるでしょうね。
直すかどうかは悩ましいですよねえ、
着付けで解消出来ればベストかな
更紗展、コンパクトでよかったですよね。
男性の襦袢が楽しくっていいなあ〜と思いました。
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