
関東でも紅葉がだんだん、見ごろに近づいてきましたね。
週明けに、東京都東部の医療機関で打ち合わせ。
選んだ一揃いは……

山形の白鷹織。柳の先染め、綾織のきものに
澤田麻衣子さんの紅葉帯。
帯揚げ、帯締めはきねやさん。
羽織は週末にも着た、抽象的な紅葉柄で。
後ろはこんな感じ。

お太鼓の紅葉も、見ごろを迎えました。
(以前にも書きましたが、この帯はお太鼓を出す場所によって、
色づき始め→見ごろ→名残(柿渋の一色染)と変えることができます)
上半身は、こんな感じ。

少し前の記事で紹介した補整をして、
帯から上が少しふっくらしたような。
完璧ではありませんが、しわやへこみが
目立たなくなりました。
(今となっては身幅がとても広い、巨大きものなのです

時間がなくて、横からの写真を撮れなかったのですが、
機会があれば、記事内で比較してみたいと思っています。
さてこの日、都心まで向かったところで、
滅多にないことなのですが、先方の都合で打ち合わせが延期に。
このまま引き返すのも…と思い、

新宿の文化学園服飾博物館で開催中(~21日)の、
「更紗のきもの展」を観に行くことに。
あまりゆっくり見られなかったのですが、
インド更紗の発祥から、ヨーロッパとの交易時代、
そしてオランダ経由で日本に入ってきてからの
江戸~近代の文様の変遷が、
時系列でわかりやすく紹介されていました。
特に印象に残ったのは、
ヨーロッパとの交易が始まったころのインド更紗。
どこでどのように情報を仕入れたのか、
西欧受けが良いように、リボンや花のタッセルといった
柄が入っていて
(ああ、当時のインドにとっては、こうした柄が
ヨーロッパの象徴だったんだなあ)と、微笑ましい気持ちで鑑賞。
外国人が日本のイメージを「富士山、芸者」などと言うのと
心理的には同じなのでしょうか。
また、日本における色柄の変遷も
特に大正時代、化学染料が身近になってきてからの見本帖が
色鮮やかで、ぐんと“今っぽく”なっているのが目を引きました。
更紗に関しては

昨夏に文化村ザ・ミュージアムで観た
西洋更紗「トワル・ド・ジュイ」展が記憶に新しいところ。
17世紀に入ってきたインド更紗が大流行して、
伝統的な羊毛産業が廃れそうになったため、
1686年にインド更紗禁止令が発令。
何と73年間も続き、ようやく解かれたとき
フランスにはすでに、更紗の継承者がいなくなっていた……。
そこに登場した救世主がドイツのプリント技師で、
トワル・ド・ジュイ誕生! というお話でした。
そのときのレポのリンクを貼っておきますね→コチラです。
両方を知っておくと、更紗の歴史が頭の中でよりダイナミックかつ
ワールドワイドに紐解かれていくかも知れません。
※「更紗のきもの展」公式サイトはコチラ。