気温が高めだったので、ホワイトベージュの大島紬に、
やはり紬地の、椿の染帯。栗山紅型です。
帯周りは爽やか目で季節色はないけれど、羽織や帯が濃い色なので
メリハリがついていいかな、と。
上半身とお太鼓はこんな感じ。
しばらく、夜の取材が続いているので、
写真もちょっと影が出ていたりしますが……。
さて、近隣の人は記憶に新しいかとも思いますが、
取材先の最寄り駅 西川口駅で事故が。
(ここからしばらくローカルな地名が出てきます)
私は埼京線で赤羽駅に着いたとき、運転見合わせのアナウンスを聞きました。
(どうしよう、西川口駅へ行けない)
埼玉の地理に疎い上、スマホを持っていないので代案もすぐ探せず。
同行予定の編集者にメールでヘルプを求めたら、
「戸田公園駅まで来られますか?」と。
こんな位置関係です。
ほぼ平行。
かくして編集さんと私は戸田公園駅で待ち合わせ、
タクシーを待ったのですが、一向に列が縮まらず。
しかたなく、駅の反対側のバス停へ移動するも、
バスも遅れていて……
(どうしよう、ぜんぜん間に合わない)
お忙しい医師なので、遅れて到着してどのくらい
取材時間がもらえるのかもわからないし、
リスケジュールしようにも、いつになるかわからないし、
雑誌ゆえ、締切まで日がないし……。
と、そこへ
通常は逆側のロータリーへ行ってしまうタクシーが
一台、バス停の方へ!
バス待ちの列の真ん中にいた私、
タクシーとの距離は6~7mはあったはず、ですが、
(気づいて!)とフロントガラスを見つめながら、
バレーボールの選手が勢いよく片手ブロックするかのごとく、
しゅたっと手を上げ、
(着物なのに…)
すでに辺りは暗く
こちらから運転手さんの表情などまったくわからなかったのですが
直感で、目と目が合ったような……。「通じた!」と確信したのです。
期待通り、お客さんを下した後、
すぅーっとバス停の先で車をつけてくださいました。
(なお、バス待ちのほかの人は誰もタクシーに手を上げませんでした)
「すごい、神奈川さん! よくぞとめてくださいました!」
編集さん、賞賛のまなざし。
「運転手さん、とまってくださってありがとうございます!」
私、車内でやや興奮気味。
運転手さん、二人のハイテンションぶりにやや気圧され気味。
目的地までは、タクシーで10分ほど。
事前に医局に電話しており、予定より30分遅れたものの、
問題なく取材ができました。
でも、
仕事が終わり、編集さんと別れたとたん、何だかぐったり……。
誌面ができあがるまでには、サイドストーリーだけで
別の記事ができてしまいそうなほど、さまざまなドラマがあるものです。
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