信じられないその出来事は、考えられないミスから始まる。
汚れた未来は・・・僕らの命はいつまで続く?-
今から20年以上も前に、こんな歌が生まれていた。
チェルノブイリ原発事故を受けて創られたものだが、
まるで今の状況を言い当てたかのようなこの歌詞が、
3~4月、一部のマニアックなJ-POPファンの間で、少し話題になった。
高野寛 「アトムの夢」だ。
初期から20余年、私がコンスタントに聴き続けてきたシンガーは、
邦楽・洋楽合わせても彼しかいない。
ここ10年ほどは、タイムリーに動向を追っているわけではなく、
1~2年忘れてはふと思い出し、その間に出たアルバムを買う、という調子だけれど、
改めてチェックしてみたら、彼個人名義のアルバムは、1枚除いて全部持っていた・・・!
高野寛といえば、「ねるとん紅鯨団」(覚えてる?)の時間帯に流れた
スキーウエアのCM「虹の都へ」や、
田島貴男(オリジナル・ラブ)とのデュオでビールのCMに使われた
「Winter's Tale 冬物語」が“名刺代わり”になるのだろう。
しかし、これらのストレートに爽やかな恋愛・青春モノは
彼の全レパートリーの中ではむしろ目立たない。
戦争や自然破壊、行き過ぎたテクノロジー、不透明な社会、その中でもまれる自分たち
・・・などへの
皮肉や憂いを込めた歌が、実はかなりのウエイトを占めるのだ。
だいたい、デビューアルバムからして、ジャケ写が原発だ(イギリス ダンジュネス)
ただ、声高にメッセージを叫ぶのではなく、
暗示的、内省的な表現、
耳に心地よすぎるメロディー、ときに実験的、前衛的なサウンドで
オブラートにくるんでいる。
合わせ鏡のように、未来への希望、忘れがちな身近な幸せを歌ったものも多い。
「静かな レジスタンス」そんな言葉が浮かんでくる。
今回紹介するのは、彼の2番目のヒット曲「ベステンダンク」(1990年リリース)。
ドイツ語で最大級の感謝を表す言葉だ。
ベルリンの壁崩壊に刺激を受けて創ったと聞いた。
今年に入って、HipHopのKREVAがカバーしている。
注“耳”すべきは、歌もさながら、このギターテクニック。
アコースティック一本で、このコード(和音)ワーク(ベースが別にいるみたい!)、
リズム、グルーヴが出せる人はなかなかいません。
一方、冒頭「アトムの夢」の歌詞はこちら。
これを読むと、彼が上で歌っていた
「今までとこれからが、廻り続けることに気づくだろう」が
20年経った今なお、リアリティを帯びて響くことに、愕然とするかも知れない。
コメント一覧
神奈川絵美
神奈川絵美
最愛チャンミン
yukiko
最新の画像もっと見る
最近の「音楽よもやま話」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2009年
2008年
人気記事