神奈川絵美の「えみごのみ」

お菓子をめぐる矛盾

先日、取材の帰りに

新宿高島屋で開催されていた、こちらの展示会へ
足を運んだ(会期は終了しています)。
事前に、「きもの英」さんより、招待券をいただいていたのだ。

今田美奈子さんは1970年代より活躍して
いらっしゃる、お菓子研究家&テーブルアートの先駆者。
スイスやフランスで学んだ優雅で気遣いあふれる
テーブルセッティングは、
私を束の間、お茶会のお招きに預かった貴婦人の気分に
させてくれる。

「食卓芸術」というアートのジャンルがあることを
私はこの展示で初めて知った。


これはニュースリリースの一部だが、
エリザベートやエカテリーナ、マリア・テレジア
マリー・アントワネット…と、誰もが知る歴史上の要人が
好んだとされるセッティングを再現。
(すみません、このセッティングの説明は失念しました…)


実に美しい、実に高貴。でも…。


私がより強く興味を惹かれたのは、

この写真の背景。



薔薇やお人形が、
すべて砂糖菓子でできている!

陶器のよう、いやそれ以上に
豊かな発色に細密な造形。
すべて人の手で創られている。

当時の植物画をもとに、そっくりに創られた
薔薇もいくつか展示されていて、
花びらが落ちている様子などもリアル。


ただ…。


私はなにぶん、ゲルマン魂の持ち主
なので、

つい

「砂糖でつくることに何の意味が
あるのだろう」
との思いが
頭をよぎってしまった、ごめんなさい!


ところが


この展示では終盤に、
日本のおもてなしのセッティングも紹介されていて
そこにはお茶会でもおなじみの干菓子。
(もちろん展示用に、華やかな細工がほどこされていますが)

それを見たとたんに


「わー、カワイイ!」
砂糖でつくることの意味云々は吹き飛んでしまうのだから
ずいぶん矛盾しているものだ、と我ながら思った。

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食器やカトラリーもゴージャス!
メモを取りませんでしたが、いろんな窯の作品が
ありました。


上の写真の一部。
脚付きのデミタスって可愛いですね。
欲しくなってしまいました。

コメント一覧

神奈川絵美
香子さんへ
こんにちは
おお、香子さんもご覧になったのですね。
そうなんです。砂糖菓子は見事なんですが、
砂糖でなくても、とつい思ってしまう…。
日本の、干菓子サイズは違和感ないんですけどね。

>座るのに邪魔
あはは、ホントに!
まあ、デコレーションの一つですよね。
ファンタジーな世界観には、癒されるものが
ありますね。
香子
初日にHの女将さんと拝見してきました。
そうなんです~、お砂糖を粘土代わりって…
(食べ物で遊んではイケません世代
ついつい「最後は食べるのかなあ」と思って見ていました。
テーブルクロスに下がっている花も
「座るのに邪魔じゃない?」なんて思ったり
現実的でスミマセ~ンなワタシでした(笑)
食器もカトラリーもセレブ感満載でしたねえ
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