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神奈川絵美の「えみごのみ」

日本民藝館へ その2

(前回の続き)

さて、日本民藝館では

コロナ対策の一環として
従来の、スリッパへの履き替えを止め、
こんな風に靴の上からビニールカバーをかけて
この状態で館内を歩きます。

これで思い出したのですが、
1988年に当時の東ベルリンを旅行した際、
古びた美術館内で、靴を履いたまま大きなスリッパを履いて
見学したことが。
建物保護の目的だったようですが、私の足にはスリッパが巨大すぎて
とても歩きにくく、足をひきずるような恰好で歩いていたら
ケガをしていると思われたのか、
「脱いでいいですよ」と免除してもらったのでした。
東ベルリンの人たち、優しかったなあ。。。

話を戻して

民藝運動の中心にいた柳宗悦氏が、アイヌ工芸には早くから
注目しており、同志の芹沢けい介氏も好んで蒐集していたそう。


撮影可能エリアにて。
確かにこの大胆でおおらかさのある柄行、
素朴な風合いには、民藝運動に通じるものを感じます。

さらに

これは北海道の近代美術館で開催された
同展のパンフレットですが、
北欧と共鳴するものを感じ、

さらに台湾でも、同じ色使い、柄使いで手法も似ている作品が
発見されたとのことで、

なるほど、沖縄の紅型に造詣の深い芹沢けい介が好むだけあって
南にも北にも、まるで世界の共通言語のように
広汎な文化だったのかなあ、とスケールの大きさを感じました。

そして……

展示されているネックレスがどれも大きい!
70~80㎝の、ベルトのように見えます。
あまり詳しくないのですが、アイヌ民族は上背が高め、かつ
顔立ちがエキゾチックな傾向のようで
おおぶりの装飾品もよく似合うのかも知れません。


織物の素材としては
苧麻に絹、木綿など異素材の組み合わせが目立ち、
本州からわたってきた古い綿なども利用したりして、
こういうところにも独創性や、懐の深さを感じました。
小さなことにこだわらず、自分も自然の一部として共生していく
暮らしに根付いた工芸品たち。
観る人に、生命の強さ、エネルギーを与えんとするがごとく
どっしりと、存在感を放っていました。

コメント一覧

kanagawa_emi
朋百香さん、こんにちは!
そうですよね、きちんと生活している人は、強い。
強い人が使う道具もまた、強い生命力を宿しているように
思います。
>髪も黒々、目もぱっちりで
そうなのですね! 昔に思いをはせれば、こうした大柄な衣装や
大きな装飾品がしっくりくる方々なのでしょうね。
朋百香
絵美さま
絵美さんの最後のお言葉がまさに、民芸の本髄ですよね。
ただ美しいだけじゃない生活に根ざしたもののエネルギー、
魅了されます。
知り合いにアイヌの血をひく方がいるのですが、確かに背も高いし
髪も黒々、目もぱっちりでエキゾチックな顔立ちです(男性ですが)
でも正当なアイヌの血というのも段々と薄れていってしまうので
しょうね。
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