神奈川絵美の「えみごのみ」

真冬の仕事着物

仕事時の一枚といえば、手持ちの中では
   ↓

この「スーツ着物」がとても重宝している。

でも、さらっとした地風で厚みもないので
真冬はちょっと寒い。

そこで

この、無地場の多いなす紺の結城紬が大活躍。


1月初旬に向かった取材先は、某大学病院。
初対面の医師なので、色数を抑えたおとなしめのコーデを心がけた。


椿柄の洒落袋。
着物にも遠州椿が織り出されているので、椿尽くしの組み合わせだ。
紺に白は、着物を見慣れていない人の目にも優しいと思っているけれど、
どうなのかな。


夜の新宿。

会議室に入ってきた医師は、一瞬、ん?というように眉を少し上げたが
同行した編集者やクライアント、そして
病院の広報ご担当も
“何食わぬ顔”でいるため
(彼らとは何度も着物でご一緒している)
そんな雰囲気にのまれたかどうか、それ以上のリアクションもなく
和やかに時間が過ぎていった。

今年いただいた年賀状の中には
  今年も着物で取材にきてください
書いてくださっているものもあって、嬉しい限り。
着物といえば、特別な日の特別なオシャレ、
自分を際立たせ輝かせるもの、というイメージが一般には強いのだろうが、
ごく自然に周囲と溶け込んで、
洋服の中にいても違和感ないよね、と思ってもらえることもまた、
普及に一役買っているのかも知れない。


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(ここからは「咳ぜんそく」の話です。ご興味のない方はとばしてください)

ところで……

この日、あるショップのスタッフさんと話していたら、
突然、彼女が咳き込んで。
  「ここ3日ほど、咳が止まらないんです」

□痰がまったく出ないか、ごくわずかの「かわいた咳」が続く
□夜になるほどひどくなる。特に就寝時、布団に入ってから
□咳以外の風邪の症状(熱など)は特にない
□風邪薬、風邪用の咳止めが効かない

これらに該当する咳は、風邪ではなく、
咳ぜんそくの疑いがあります※。
気道が狭くなり、乾燥して過敏になっている状態で、
外部からの刺激(空気が通るだけでも)で咳込んでしまうというもの。
これに対し、風邪用の咳止めを使用したりすると、却って増悪することがあります。
風邪用の咳止めは、痰を切って喉の粘膜を乾かすよう働くものが多いからです。

咳ぜんそくは、風邪を引いた後に続けて起こることが多いと言われています。
そのため「風邪が長引いている」と勘違いして受診し、
医師も風邪の延長として扱ってしまうことがまだ多いようです。
咳ぜんそくの診断は、呼吸器に詳しい医師以外には難しく
まだ医療現場で徹底されていない感触を得ています。

おかしいと思ったら、呼吸器科、呼吸器内科、または
呼吸器に強い内科
を受診してください。

私自身、20年以上前からおよそ2年に1度の頻度で、発症していたのですが、
6~7年前までは風邪と同様の処方しかしてもらえず
たいへん苦しみました。
2~3カ月、咳が止まらないこともよくありました。
でも今は、呼吸器科を受診することで、ごく弱いステロイド剤を吸入し
3~4日で軽快します。(治療内容や経過は人によって違います。これは私の場合)

なお、「ぜんそく」と名付けられていますが、
メカニズムはぜんそくとは違います。
しかし放置するとぜんそくに移行する場合があります。


今シーズン、複数の方から似たような声を聞きましたので
言葉足らずですがまとめてみました。
このブログであまり医学のことは取り上げませんが、
自分自身が苦しんだ病気についてはとりわけ、
何とかしなきゃという思いも強いので…。
何等かお役に立てれば幸いです。



※これは診断基準ではありません。私の経験上からつくった項目です。
 診断基準を知りたい方はネット検索してみてくださいね。

コメント一覧

神奈川絵美
はつきさんへ
こんにちは
そうそう、ある程度根回ししておくとお互い安心(笑)。
まあ、あまり目がちらちらするような着物は避けるようにすれば、後はそんなに気を遣わなくてもいいようにも思います。

カシミヤ手袋、私も重宝しています。リニューアルされたものはよりフィット感が高く、生地もしっかりめでおススメです
はつき
こんなところですが…
http://blog.goo.ne.jp/asochan0930
お仕事着物、参考にさせていただきます!
年明けから、そろりそろりと、仕事に関する場面でも「私着物着るんです…」とアピールしつつあります。

ところで、だいぶ以前にご紹介いただいたカシミア手袋、やっと注文しました!これから寒さが厳しくなる中、効果が楽しみです。まずはご報告まで…。
神奈川絵美
りらさんへ
こんにちは
今年もよろしくお願いいたします
この椿帯ですが、今回、一番きれいに柄を出すことができて嬉しいです
やや上にいってしまうことが多かったので…。

咳ぜんそく、そうなんです。
でも、日本には市販の咳ぜんそく用の咳止めもあるにはあるのですが、私にはそれもあまり効きませんでした。
炎症を抑えるステロイドや、気管支拡張薬を処方してもらうのが近道だと、自分の身をもって知りました。
りら
ご無沙汰が続きまして・・・やっと復活です~。
今年もよろしくお願いいたします。

この結城、なす紺だったんですよね~。
椿の帯の柄出しが綺麗に決まっていて素敵です。
「今年も着物で・・」のお年賀状、嬉しいですよねぇ。

「咳ぜんそく」について、以前同じような症状で苦しんだことがあります。
なるほど・・・咳止めが効かないんですね!
こういう知識を広めてくださるのは、ありがたいです。
神奈川絵美
香子さんへ
こんにちは
私も、撮影のときには袖が邪魔になるので
洋服なんですが、この間その話を取引先としたら
「たすきがけすれば着物でも大丈夫では?」だって。
本人が躊躇しているのに、周りがそうやって
着物を勧めてくれるのって、嬉しいですよね

咳が続くと体力を消耗するし、辛いですよね…。
家庭医、プライマリ医がもっと充実すればよいのですが、現状はどの診療科目も専門化、細分化されていて、
患者の方にも、どの先生にかかれば最短で最大の治療効果を得られるか、頭を使うことが求められていますよね。

私も上気道や肺のX線撮ったら、白くなっているかも喉、本当に弱くて一年中気を遣っています。
香子
ワタシも着物で職場に…とは思ってみても
なかなか難しいですね(服装は自由なんですが)。
リタイア直前になったら実行しようかとは思ってますが(笑)

以前、冬になると必ず咳でしんどい思いをしました。
一旦咳き込むと止まらなくなるんです。
もう咳の風邪だなと思えば内科ではなく耳鼻咽喉科に駆け込みます。
内科じゃ直接的な治療はしませんからね。
ステロイド入りの吸入や、咳止めのシールは良く効きます。
ワタシのレントゲン写真には当時の病巣の跡らしく
白くなってる部分があります (^-^;;
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