神奈川絵美の「えみごのみ」

陽春にモルダウ


「きゃー ウレシイ
PCの前で思わず声を上げる。
ぽっかり時間の空いた火曜日、気になっていた「一衣舎 春展」に
だめもとで着物友達のMさんをお誘いしたら、快いお返事をいただけたのだ。

しかも。

「吉田美保子さん作の『モルダウ・バッハ』を着ようかなと思っているのだけど・・・」
絵美さんがシスレーを着るなら、“おそろい”になるから、と。
もちろん、もちろん着ていきます そう返信したのは、当日の朝だった。


予定していた着物をやめ、シスレー&佐藤節子さんの小鳥帯に。
帯揚げは、白地に黄色の蝶々の絞りが入ったゑり萬さんのもの。


暖かな陽射しに恵まれたこの日。
会場となった妙壽寺 鍋島客殿(世田谷区)はツツジがほぼ満開で
桜や水仙に比べ強めの色彩が、春から初夏への季節のかけ橋へ誘うよう。


Mさんと、偶然ばったり会ったMさんのお知り合いのSさんと3人で。
Sさんは着物上級者。ご自身で色柄を指定し織っていただいたという、
斉藤裕司さんの唐棧織を爽やかに着こなして。
帯は光佳染織という工房のもの。
本郷孝文さんのもとで修行を積んだ女性二人組の工房だそう。


Mさんの「モルダウ・バッハ」は
フォレスト・グリーンを基調にたくさんの繊細な色合いで織り出された
森や川、風の世界。
あるときは凛とたたずみ、あるときはすべてを許容するかのような大きな優しさで
見る者を包む。
冨田潤さんの帯もオーガニックな風合いで、着物としっとりなじんでいる。


(↑ ちょっと妙な写真だが、二つの着物の比較ができるかなあ、と・・・。)
「モルダウ・バッハ」は「シスレー」よりも半年以上後に生まれた着物だけど、
なんだかお姉さんみたい。
きゃきゃっと奔放に飛び跳ねる妖精のような光を、静かに見守ってくれている。
そんな印象を受けた。

お会いできて、本当によかった。
急で恐縮だったけれど、お声がけして本当によかった。
優しいMさんと久しぶりにおしゃべりも弾んで、
帰宅後も、心が豊かに満たされているのを感じていた。


一衣舎さんは今回の展示に対し、
震災後まだ日が浅いということで、開催すべきか悩まれたそう。
でも「東北を応援するには、まず東京が元気にならないと!」と
今回もたくさんの作品を揃えての開催となった。
吉田美保子さんの着尺や帯も見ごたえがあり、
被災された呉服店さんからも、何点か沖縄の織を中心に出品されていた。
展示は4月29日まで。
詳しくはこちらをご覧ください。

コメント一覧

神奈川絵美
はつきさんへ
こんにちは ね、一衣舎展、いい雰囲気でしょう。少し昔にタイムスリップしたようなロケーションですよね。
この日はお友達と「吉田シスターズ」できたおかげて、私もとても豊かな気分で過ごすことができました。
はつき
私も行ってまいりました
http://blog.goo.ne.jp/asochan0930
私も初めて「一衣舎展」行ってまいりました。素晴らしい会場に素晴らしい作品たち。眼福でした~~。うう、絵美さんのように作家さんの作品をまとって展示会に赴くというのは目標ですねー(かなり遠い目標ですが…)
神奈川絵美
たにこのさんへ
こんにちは ぜひぜひ! 三姉妹だわー・・・かしまし娘?
神奈川絵美
ミワさんへ
こんにちは こちらこそ!楽しい時間をいただけ感謝、感謝です。

あの都会のオアシスのような(お寺をそう表現するのはどうかとも思いますが)ロケーションに、一衣舎さんの展示はよく合っていますよね。

こうして写真を眺めていると、吉田兄弟は一つの世界をつくっていて、ただただ感心するばかり。作家さんってやっぱりすごーいですね。

また秋に、吉田兄弟でご一緒させてくださいねー。

PS 「蜘蛛男」、どうも今年は出ていないようです
たにこの
あのぅ、、、
わたしも続いていいでしょうか?
つづきたぁい!!
ミワ
吉田兄弟
私こそお礼を申し上げたい気持ちでいっぱいです。
ご一緒していただいたおかげで素晴らしいロケーションの中「モルダウ・バッハ」でお出かけできました。

マクロ写真で織り地の多彩・繊細を紹介してもらい、吉田さんにもやっとご報告できた気持ちでいます。

一衣舎さんは展示会をどうされるか悩まれたそうですが、開催してくださったことにも感謝します。
美しい染織作品・小物たちをたくさん目にすることができ、楽しいひとときでした。
明日までの展示会、ひとりでも多くの方が足を運ばれますように祈ります。

絵美さん、お声をかけてくださってありがとうございました。
神奈川絵美
りらさんへ
こんにちは いやー日本でも状況は同じでして、あっという間に単が着やすい時期に・・・。今日東京は25℃以上あったようですよ。

モルダウ・・・このグリーン系の深みや立体感はさすが、と思います。
神奈川絵美
すいれんさんへ
こんにちは うふふ「お姉さん」というのは私が勝手に言っているだけですが、モルダウには洗練された落ち着きがありますよね。

りら
わ~♪
お三方とも、スラリと美しい立ち姿で・・・もっさりしがちな私は見習わなければ!

皆さん、春の淡い色がお似合いで、見ていて気持ちが明るくなりますねぇ。
シスレーにモルダウ、ネーミングも素敵!!

毎年春になると軽い明るい色が着たい!と思うも・・・箪笥の中に無い・・・うへへへへ、と苦笑している間に単衣、薄物の時季になるんです。
すいれん
http://www.tomoko-358.com
絵美さま
そうか~、シスレーにもお姉様がいらしたのですね。こうして並んでみると、同じトーンなのに確かにお姉様には落ち着きがありますね。
面白いものですね。 せっかくの良い季節、私もきものが着たくなりました。
神奈川絵美
やっぴーさんへ
こんにちは 今回は吉田美保子さんの作品も見ごたえありますし、ほかの染織作家さんの力作も・・・!
会場の雰囲気もいいですよね、駅から遠いですが・・・
神奈川絵美
amethystさんへ
こんにちは まさに「ハーモニー」ですよね。2枚の着物で1つの世界をあらわしているよう・・・。
Sさんのお着物もとーっても着やすそう&現代のシーンにぴったり。
私もつくづく「着物っていいなあ」と思いました。
amethystさんも行かれるのでしょうか? どうぞ楽しんできてくださいね
神奈川絵美
Tomokoさんへ
こんにちは シスターズが揃って、もうホントに嬉しかったです。こうしてみると、やっぱり調和しますし響きあいますよね

一衣舎展、よきものがたくさんありますので、どうぞ楽しんできてくださいね
やっぴー
おぉ、いらしたんですね♪
展示されてる商品にも増して
お三人さまは光ってたのではないでしょうか☆

なんとか最終日に駆け込めるといいなあ~。
amethyst
素敵な姉妹姿
まず絵美さんのシスレーがあって
Mさんのモウダウバッハがならんで
きれいななハーモニーを感じました。
このお二人の姿をみたら
だれもがうっとりするでしょうね~
すべて吉田さんのトーンで
ここちよい風を感じるような
色合わせですね。
ご一緒したかったけど
こうして記事でみせていただいて
とても嬉しいです。
お友達のSさんも静かな斉藤唐棧の着姿に
またべつの音色を感じます。
やっぱり着物っていいですね
Tomoko
おお~お、ヨシダ・シスターズそろい踏みですねえ!!春から初夏の色にあふれてますね。織り手にとってはさぞや冥利につきることと思いますよ~。
私も明日、落語に行く前に(実はこれがはじめて)一衣舎さんに寄る予定でいます。目の保養に行ってきます~。
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