3月に入れば花もほころび、日差しも明るくなってくる。
着物も、だんだん「ほっこり」には袖を通さなくなってくるもの。
だから難しい、春色の結城。
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だいぶ前にいただいておきながら、2、3回しか袖を通していない結城がコレ。
一見、有名作家さんの織のようだが、
こちらは高機に、引き染めを施したもの。
何年か前、着物雑誌に載ったものの、袖が一尺四寸という
中途半端な長さで、なかなか売れないとお店の人から聞いた。
しかし、私にとっては袖丈よりも、
色と質感の兼ね合いで、出番をつくりにくい着物だ。
芽吹きを思わせるライトグリーンは、
冬に着るにはやや気がのらず、
かといって春になると、ほっこりした結城の質感がやや重い。
以前、5月に着たこともあったが、やはりかなり暑かった。
着るなら3~4月の、あまり暖かくない日に、自然と限られてくる。
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(皺っぽいのはどうかご容赦を)
帯合わせも意外と難しくて、
それなりに「力」のある帯でないと、とたんにつまらなくなる。
左は佐藤節子先生の「小鳥帯」。艶があり地紋も入った綸子。
右は仁平幸春さんの「月影のコンサート帯」。梨地という、やはり艶のある生地だ。
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織楽浅野さんの帯をのせてみた。
これだけだと、(私には)ぱっとしないように見えるが、
帯締めでアクセントをつけたらステキかも!
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中来田万里さんの「春待ち」帯ものるかな?
左は少し馴染みすぎるけれど、お太鼓の出し方を変えて右のようにすれば
なかなかいい感じになるかな?
さあ、春のお出かけ、どうしよう。