角田光代著 戦時中満州で知り合った祖父母の過去と父母の出会いを中華料理屋を中心に展開して行く。父母の兄弟や中華料理屋に集まる人々のエピソードを交えて話は進む。過去と現在の話が並列に書かれ話の展開が少し読みづらい。戦後の混乱期や昭和の学生運動やそれらの事件も織り交ぜながら物語は構成されている。祖母を通して人生を語らせている。
吉田修一著 内向的な建設作業員が出会い系で知り合った女性を殺害してしまう。その後に知り合った女性に恋に陥り逃亡生活を送る。殺害された女性や友人、その家族や殺害のきっかけを作った大学生等の人間模様を描いている。殺害された女性の両親は、娘が出会い系で多くの男と関係をもったことが信じられなく悲しみや怒りのやり場をなくす。取り返しのつかない事件を犯しその後知り合った女性の未練も絡め人の情を描いている。面白い小説でした。
東野圭吾著 日本橋で殺された事件に纏わるミステリー小説。すぐに容疑者が見つかるが逃げ出し交通事故で亡くなる。実は、容疑者は、殺人を犯してはいなった。最後に
犯人は分かるのですがそれまでの刑事の謎解きや何故に日本橋なのかと言う意味合いを含めて麒麟の翼の題名が理解できる。凝った構成の推理小説でした。
犯人は分かるのですがそれまでの刑事の謎解きや何故に日本橋なのかと言う意味合いを含めて麒麟の翼の題名が理解できる。凝った構成の推理小説でした。
万城目学著 琵琶湖周辺に住む日出一族と棗一族の特殊能力に纏わる事件を描いている。漫画的な小説であり、まあ、空想的小説とすれば面白いかもしれません。琵琶湖題材にした特殊な力を持っている一族同士が反目しあい生存してきてその末裔である主人公の高校生と同級生が一族の危機を救う。危機をもたらしたのが日出けの使用人という落ちも面白いです。端々に散りばめられたエピソード等の仕掛けが最後の方で結び付き無駄な出来事の描写は無い様な構成です。