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 ♪♪♪ H.Tokuda

タバコ

2017-02-03 23:47:27 | エッセイ


 僕の机の上はいつも散らかっているんだけど、それにしてもこの灰皿はあまりにもひどい。文章を書き始めると、ついついタバコの本数が増え、気が付けばこんな具合だ。部屋の中が煙たい。もちろん体にだって良いはずがない。お金もけっこう掛かっている。そんなことを考えながらも、またタバコを一服。

 初めてタバコを試したのは中学生のときだった。「いざ、吸ってみよう」と、ある日突然思い立ったのだ。
 家には父親のハイライトがいっぱい買い溜めされていたが、それに手を出すのはどうも気がひけた。どうせ悪いことをするにしても、盗みはいけない。自分の小遣いでもって入手するべきだ。そうした中途半端な正義感に駆られながら、近所の自動販売機で「チェリー」を一個買った。なぜチェリーなんてマイナーな銘柄を選んだのだろう。そこのところはよく覚えていない。
 中学生の頃は悪戯半分だったが、高校に入ってから常用するようになり、大学に入ってからは日常的に吸った。そういうわけで、僕のタバコ歴はけっこう長い。もう肺の中は真っ黒になっているに違いない。

 今の少年たちは、僕の時みたいに簡単にタバコを買うことができない。自動販売機は「タスポ」なんていうカードを使わないと作動しないし、当然ながらそのカードは成人でないと発行されない。僕はカードの発行申請をするのが面倒なので、いまだにタスポを持ってなくて、いつもコンビニなどで対面購入している。ところが、そのコンビニでもけっこう面倒なことがあるのだ。
 タバコをレジに通すと「私は20歳以上です。Yes No」という年齢認証の画面が出て、客にそのボタンを押させる。どうもこれが気に入らない。以前、あるコンビニで、ボタンを押せというので、「顔を見たら分かるでしょ」と言ってみた。すると店員は「すべてのお客様に押していただくことになっていますので」と言う。「押さなければ売らないのか」と聞くと、「はい。決まりですので」という。僕は「それなら買わない」と言って店を出た。
 ボタンにタッチするくらいたった一秒で済むのだが、客との人間関係よりも社内マニュアルを優先するという、店側のその態度が気に入らないのだ。一見して大人と分かる客ならば、融通を利かせばよい。大企業のマニュアル至上主義は、役所以上に杓子定規だ。店によっては客の顔を見て、店員がボタンを押してくれるところもある。僕はそういう店でタバコを買うようにしている。ひょっとしたら、これもその店のマニュアルで決められていることかもしれないけれど。

 職場や街中では喫煙できる場所が少なくなり、愛煙家には厳しい世の中になってきた。そろそろ止め時なんかなぁ、と思うこともあるが、やっぱり僕はタバコが好き。別に意地を張っている訳ではないが、何か大きな問題にぶつかるまでの間は吸い続けることだろう。
 外では吸える場所が少ないので、家の中でたくさん吸う。そういうわけで僕の部屋は今日もひどく煙たい。とりあえず、明日にはこの灰皿をもきれいにしよう。
 そんなことを考えながら、また一服。(-。-)y-.。o○

僕の部屋

2017-02-03 22:26:13 | エッセイ



 いつもこんなひどい状態だけど、何とか足の踏み場だけは残っている。2方向からの写真を総合して見ると、だいたい部屋の全容が想像できるだろうか。ギターにバンジョーにオーディオ製品にパソコン机。まさに男の趣味の部屋といった様相だ。写真には写ってないが、もう一方の壁にはガラス扉付きの大きな本棚が鎮座している。
 1枚目に写っているグレーのスピーカーも、2枚目の真空管アンプも、二十代の頃に自分で作った物。だいぶくたびれてきたけど、今でもこれを愛用している。背もたれの大きな椅子に座り、好きな音楽を聴きながらパソコンで小説やなんかを書く。少し飽きたらソファに移動してギターを弾いたり、本を読んだり。さらに飽きたらソファに横たわってそのまま眠ってしまう。ほんとに気ままな生活だ。

 僕の部屋には窓がひとつしかない。それも部屋の大きさからすれば最小のサイズ。ほんとは窓のまったくない地下室みたいな部屋にしたかったのだが、建築法の決まりでそれは無理だと言う。そこで仕方なしに最小限の大きさの窓を作ってもらった。分厚い二重ガラスで防音性は高い。そのうえ、たいていはシャッター式雨戸を降ろした状態だから、部屋の中は静かで、昼間でも真っ暗だ。
 部屋中にタバコとコーヒーの匂いが立ち込め、めったに掃除をしないから、いつも埃っぽい。まあ、誰が見ても不健康な部屋だと感じるだろう。さすがの僕も、時にはたまりかねて窓を全開にし、空気の入れ替えを試みることがある。夜に窓を開けると、正面遠くにラブホテルの明かりが見える。それがまた何とも幻想的な風景だ。(笑)

 そういうわけで、僕はこの部屋がけっこう気に入っている。学生の頃なんかは、部屋にベッドを置き、衣類や食器類なども収納しなければならなかったが、そういったものは別の部屋に置いているので、今のこの部屋にはまったく生活感がない。趣味だけのための7.5畳の空間。真っ暗な闇の中に手元だけの照明をつけ、真空管の灯りを見ながら、ジャズ喫茶のような雰囲気に浸ることもある。
 もっとスタジオみたいな感じにしたいなぁと画策しているが、これ以上よけいな物を置くスペースはない。現在空いている壁も、そのうちまたギターで埋まるだろう。縮尺1/2の鉄腕アトムの設計図という凄い物を持っているのだが、大きくて貼る場所がない。
 そこでふと思いついたのが天井。ここはまだ未開の更地だ。ポスターを貼ることもできるし、いろんな物を吊り下げることだってできる。
 こうして僕の部屋はまたひとつ乱雑さを増し、無秩序に開発された大阪環状線駅の周辺みたいな様相になっていく。何よりも大敵は地震。倒れてきて怪我するようなものはないが、大切な楽器類が傷つかないか心配だ。