カンテレあんさんぶる

”ゴ-シュ”のピアニスト

昨夜、舘野泉さんのコンサ-トへ行って来た。

会場はほとんど満席状態。

最初の曲は”アイノラ抒情曲”

昨年”シベリウス協会北海道支部発足会”の時に舘野さんは初めて麻痺していた右手で新しく作曲された曲をたどたどしく演奏した(その時の曲はこの曲ではなかったのですが)
でもその時会場にいた方々は感激して皆涙、涙だった。 
それが今回は右手で弾くその演奏は流れるようにピアノが歌っていた。
私は息を呑む思いでその右手に釘付けになり演奏を聴いた。


”タピオラ幻景”も以前にも増して流暢な演奏になっていた。
これはコンサ-トが終わった後、舘野さんと一緒にお食事をした時に聞いた話だが、初めてこの楽譜を作曲家の吉松さんからもらった時は一体どうやって弾くんだろう、こんな難しい曲を左手だけで弾いたら左手が駄目になるのではないかと思ったほどだったという。




そして最後の”ゴ-シュ舞曲集”ではポップでリズミカルなダンス曲をご披露。
低音でズンズンと重たいビ-トを響かせるロック、ジャズ風なブル-ス、舘野さんの大好きなタンゴ、そして軽快なリズム全開のブギウギなどをノリノリで演奏しきった。
演奏することが楽しくてしょうがないという感じである。
両手で演奏していた時のようなあの舘野さんの音楽が戻ってきたようであった。
もう聴衆は大喜び。ホ-ル全体が熱気で溢れた。
こんなコンサ-ト、舘野さんでなければできないと強く感じた。

因みに”ゴ-シュ”というと、日本人なら誰でも宮沢賢治の童話「セロ弾きのゴ-シュ」を思い浮かべるけれど、これは元々はフランス語で「左手」のことである。
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