あさサン

大好きなお菓子と日々のささやき

ダッチロール

2014-11-16 | 本、ドラマ他

こんにちは

大分寒くなってきましたね。ホットカーペットが嬉しいです。

 

昨日、この本を読み終えました。早い人なら数時間で読めると

思います。スラスラと、とても読みやすいです。

重たい本でした。暗い、とも、友人が話していました。

「酒鬼薔薇」の事件は社会を震撼とさせましたが、その28年前に

起こっていた同様の事件のドキュメンタリー本です。

このブログのタイトル、テイストにはそぐわないのですが、

強烈な印象を心に植えつけられたので、ちょっと感想を

書いてみたくなりました。(読書サークル11月の課題本)

高1の息子を無残な形で殺された母親の苦しみ、暗闇の中に

落とされた父と妹。被害者家族のその後の壮絶な人生がインタビュー

をもとに小説仕立てに書かれています。

猟奇的殺人で我が子を殺された母親の苦しみを読んでいて

辛くなります。

 

今までこのような事件が起こるたびに加害者の精神鑑定、成育歴、

家庭環境などがメディアでかなり詳しく取り上げられますね。

でも、この本を読んでみて被害者家族がこんなにも壊れていくのか

、初めて知りました。何も悪い事をしていないのに・・・

なぜ我が子が、なぜこんな事件に。

いくら考えても、考えれば考えるほど答えが出ない苦しさ。

人は納得が行く答えを与えられたら少し楽になるのだろうか?

池田小事件の被害者の父親は僅か7歳の可愛い娘を

残忍な形で殺されたのにお葬式で早く前を向いて

歩いていきます、と話していましたが、

マスコミ向けに苦しみを偽って伝えたのかな、と今でも分からない

気持ちになります。

 

この本を作者の奥野修司さんが書いたことで加害者は初めて

被害者家族の苦しみを知り謝罪の気持ちが芽生えたと言ってます。

弁護士にまでなっているのに、そんな人間の心のありようが

想像できないことにむしろ怖くなります。

不運だと言う言葉で突き放すことができない、やりきれない

事件や事故、関わった人の人生を狂わせてしまう、そういう

現実に対して人々の救いになるものは一体何だろうか、

つくづく考えさせられました。

 

「ダッチロール」とは飛行機が8の字状に迷走する不安定な危ない

状態を言うそうですが、この本の中で被害者家族の人生をこの言葉で

例えていました。

初めて知った言葉です。

 

風邪を引かないようにお体大切になさってください。

 

ご訪問ありがとうございました。 ごきげんよう

 

 

 



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