椿餅(つばいもちひ)
艶々して青々して生命力がある葉
葉を愛でる
京都は立春から2月末、餅と椿の葉の潔い佇まい
改まった席で特別に重んじられる茶席やハレの菓子
平安時代の軽食代わりの餅菓子でもある
植物の葉で挟む形式は日本独自、和菓子原型
*柏餅、桜餅よりも先に
日常的な間食ではなく、貴族の館の蹴鞠(けまり)の会で配られ、
当時は炒り米を粉にして餅を作り、甘葛(あまづら)をかけ、
椿の葉二枚で挟んだ
*餅は蕾のように
*見立ての葉でも
現代は道明寺を肉桂(にっけい、シナモン)粉で蒸しながら、
色と香りを付け餡を包み、反らないように先を少し切った葉で挟む
色付けた道明寺が椿の花を連想させ、艶やかな葉の緑との対比が
心に残る春のお菓子
*甘葛は高貴な甘味料、蔓草(つるくさ)の樹液