さて一連のコロナ騒ぎのおかげで、今年は落語会の中止も相次ぎ、なかなか聞きにいけないという状況だったが、三連休の中日にいつも出掛ける三鷹のホールで「柳亭市馬独演会」が開催されたので出かけてきた。
この会はもともと4月開催の予定だったが、コロナ騒ぎで6月に延期、さらにそれもまたの再延期でようやく開催にこぎつけたという次第。
会場につくといつものように満員御礼の貼り紙が・・・だが、実際はキャンセルがずいぶん出た由で、7割ほどだった様子。
またいつものパターンだと、市馬二席の間にヒザで色物が入るのだが、今回はそれもなく・・・おそらく、その分たっぷりでやってくれるだろうと期待した。
まずは開口一番、市遼が登場。初めて見る顔だが、それもそのはず、まだ正式に前座になっておらず、この日が四度目の高座だという。
始めたのは「牛ほめ」だったが、睡魔に襲われながら聞いていたところ、サゲで「穴が隠れて火の用心になります」と決定的な間違いを・・・(苦笑)
続いて登場したのが市童、ついこの間前座で出てきた・・・と思っていたが、早いもので二ツ目になって5年経っていた。
聞くのは久しぶりだが、すっかり噺家っぽくなっていた。で、始めたのが「蛙茶番」。このネタは一朝が十八番にしているが・・・
さすがにそこまでとは言わないが、よく話し込んでいることがうかがえる。ということで、お待ちかね市馬の登場だ。
今年もあと40日・・・なんて頭に振ってくるところを見ると・・・これは・・・はたせるかな「掛け取り」だった。
市馬の十八番中の十八番、時間もあるのでたっぷり・・・かなと思っていたら、マニアには嬉しい「掛け取り美智也」だった。
自慢ののどをたっぷり聞かせてくれて、大満足で中入りとあいなった。
さて、中入りのときに思ったのは、さてトリで何をやってくれるのだろうか・・・と。季節感を考えると「二番煎じ」か、いや歌などがかぶるから「甲府い」あたりかも・・・なんて思いながら再開を待つ。
再開の出囃子は・・・おっ、「序の舞」じゃないか。彼の師匠の先代小さんの出囃子だ。ということは、小さん直伝のネタ・・・かも。
冒頭商売の話から、屑やさんの話になる。えっ、まさか「井戸の茶碗」か「らくだ」? と思っていたら、そばやの売り声になった。
おお、これは・・・と思ったら案の定「うどん屋」に入った。最近では喬太郎の、いかにも・・・な、それにハマったが、そこは市馬らしく先代小さんの型をしっかりとトレースしていて、奇をてらった演出などなく、保守本流の佇まいで演じてくれた。
かくして大満足で帰路についた小生、さすがに市馬という感じだが・・・
改めて、「落語は基本に沿ってまっすぐやっていれば面白い」ということをしっかりと教えてもらったように感じた小生である。
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