琴のお店の噺

古典的なネタをご紹介しよう。琴を扱っているお店って、だいたい三味線も扱ったりしているものである。それで、ご覧のような看板が出ていることが多いのだが・・・

　タチの悪いお客がお店にやってきた。だいたい、どこの世界にもタチの悪いクレーマーみたいなお客さんが来ることって多いが、こういうお店にとっては、単価がそこそこ高いだけに、うかつな対応もしにくいようだ。

　「おい、そろそろ新作ができた頃だろう。見せてくれよ」「いや、すいません、お見せできません」「なぜだよ、オレには見せられねえってのか」
　「いえ、そういうわけではありません。どなたにもお見せできないんです」「ばかやろう、ふざけんなよ、そんな店があるかよ。だいたい、それどこにも書いてねえだろ」

　「いいえ、お客さま。当店では、しっかり表に書いてありますので悪しからずご了承のほど」「えっ、なんだって？どこに書いてあるんだよ」
　「ですから、看板にしっかりと『ことしゃみせん』、今年ゃ見せんて・・・」古典の小噺なんですが、こうやって字にしてみると、けっこう寒いですな(笑)

　あっ、もちろんこのお店がこんな不当表示のお店というわけでは・・・(汗)