9日の日曜日、朝刊の見開き二面を使った全面広告が載っていた。「民意は示された。辺野古新基地断念を!」という意見広告だった。この広告はいかなる政党・政治団体にも属さない市民運動とのこと。
幾多の選挙や県民投票を通じて辺野古の基地に対して沖縄県民の民意がNOだというのは周知の事実だが、どこかの政府は県民投票の結果は少数意見だとまで言い切っている。
あくまで国益が優先という立場だが、政府がレトリックで使う普天間の基地返還云々も、辺野古ができただけでは実現しないことはすでに米国側が公式に述べている。
すなわち、辺野古プラス那覇空港の使用が前提なわけで、仮に強行突破で辺野古が作られたとしても、あと10年くらいで実現するような話ではない。
皮肉なことにこの日、イージス・アショアの適地選定に関して秋田市で説明会が開かれたのだが、テレビでは衝撃的なシーンが映し出されていた。
なんと、説明側の担当者の一人が居眠りをしていたのだ。これは小生も見ていて確認できるほどのシーンだったが、これに対して住民側も怒っていた(当然だ)。
住民:「問題点が明らかになってもまだ説明を強行するつもりでしょうか。後ろの席の一番右の方、居眠りしてますね。何を考えているんだ。我々の人生がかかっているんだぞ」
ここにすべてが集約された象徴的なシーンだと感じてしまった。同じ日、どこかの首相は、防衛省が秋田市を「適地」とした調査結果の数値に誤りが9カ所あったことに関し「防衛省から報告を受けており、真摯に受け止めている」と述べたという。
首相、イージス・アショアの調査誤り「真摯に受け止める」 もはや悪い冗談にしか聞こえない。
首相が真摯に受け止めているが、防衛省の担当者は真摯に受け止めていないのか・・・そもそも忙しいのにこんな無駄な説明会をやってやってるのが真摯な姿勢なのか。
少なくともどこかの首相が「真摯に受け止める」とこれまで何度も聞かされたが、それにより結論が変わったことが一度でもあったのか。
数値の見直しの結果も、新屋が適地との結論は変わらないとすでに言われていて、一度決めたことは何があっても変わらないというこの国の体質を象徴している。
<地上イージス>新屋以外の検討箇所 下方修正後も「不適」変えず
本筋とはずれるが、小生学生のときに新屋のある施設を訪問し、一泊したことがある。静かな住宅地であったが、ローカル線とはいえ、秋田駅までは2駅8分であった。もちろん新屋といっても広いはずだが、東京駅から8分の駅の近くにこのような設備を作ると言われて賛成する人がどのくらいいるだろうか。国益だからと納得するだろうか。
これまで何度も話題になったが、巨大なダムや水門の建設についても、当初の目的が経年の事情変化によりすりかわっていくことは常のことで、建設そのものは変わらない。
民主主義国家ではないこの国では、民意はまったく無視されるのだ。ついでに言おう、国益と言うが、米国益だろうって。
中国や韓国のことを理解するような発言をするとたちまち反日と言われるが、米国の利益につながることを言っても反日とは言われない。
米軍基地の置かれている22か国の負担している金額の合計よりも大きい額を日本一国で負担しておいて、基地に関する権利は22か国のどこよりも少なく、さらに予算委員会を通さず、兆単位の戦闘機購入を首相の一存で約束する。
当のイージス・アショアについては、すでに実績のあるレーダーシステムを使わず、新しいシステムを導入するため、その実験などの費用も全額日本が負担するという。
ここにつぎ込む費用はすべて国益なのか、米国益にしか感じられない小生である。勘違いしないでいただきたい。
小生は中国を支持するとか言っているのではない。たとえば、同じ米国の核の傘にいる国だって、もっともっと国として自立をしていることを国民は意識すべきだということだ。
それが反日と言われる・・・不思議な国である。あ、いやひどい国である。
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