圓歌・兼好二人会で疲労困憊の翌日、口直し気分で出かけたのが米團治独演会だ。米團治の会は年に何回か銀座のブロッサムで開催される。
この会場は落語の会の会場としては大きいが、毎回会員先行予約でシコシコ取るので、前の方のいい席がとれる。
今回も前から二列目が取れた。米團治の会は事前にネタ出ししてれるのと三席やってくれるのがうれしい。
さて開口一番、團治郎が登場、このところおなじみの前座だ。始めたのが「狸の賽」だ。明るいのはいいが、いかんせん汗のかきすぎだ。
噺家は暑くても、汗をかいては・・・という価値観がある。いわゆる「汗だくの熱演」は噺家にとっては褒め言葉ではない。
さて辛口の評価ののちは、米團治の登場。まずは「軽業」だ。上方の定番のひとつだが、いかも上方っぽい賑やかなネタ。
それも米團治にかかれば、軽やかで上品さを失わないのが彼の魅力か・・・
続いてゲストの吉之丞の登場。始めたのは「ふぐ鍋」だったが・・・いささかくどく感じてしまう。
失礼ながら、前日の疲労もあり、意識を失ってしまった・・・いやいや気をとりなおそう・・・というところで、再び米團治の登場だ。
一席目の高座着は黒紋付きだったが、二席目は市松模様が地模様になっているシルバーの高座着で、なんともオシャレだ。
始めたのは米朝作の「一文笛」。最近は東京でも掛ける噺家もいるが・・・個人的にはこのサゲだけは上方のセリフでそれも原作のままやってほしい。もちろん、米團治のそれは父譲りで、見事なものだ。
「ギッチョ」という言葉が差別用語なため、それを東京のセリフで「左きき」なんて言い換えられると興ざめしてしまう。もちろん東京でも「ギッチョ」と言うケースもあるが、ちょっと違うんだよなあ・・・と。
などと思いながら、中入り・・・
再開後は、「池田の猪買い」だ。これまた上方の定番もの。ストーリーはどうというものではないが、いわゆる落語あるあるモノというべきストーリー。
実際、シーンシーンで、こういうのあるある・・・というネタで楽しく味わわせていただいた。
あくまで個人的な感想だが、米團治の世界はぴったりツボにはまる。はまるといえば、この日も終演予定時刻15:15ピッタリに終わったのも見事だった。
やはり米團治はいいなあ・・・
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