アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

大銀座落語祭その4

2008-07-22 06:26:34 | 落語
さてさて、大銀座落語祭もいよいよ最終日。21日には、いくつかねらったチケットがことごとく取れず、ようやく取れたのが十字屋の午後の部だ。


 ここのお目当ては、昨年の南京屋政談で感激した桂福団治だった。昨年の落語会後、絵馬のご縁もあり、とにかく縁を感じていた。
 その上方落語には珍しい洒脱な芸風も楽しみだったのだ。とはいえ、まずは開口一番、三遊亭遊喜の「転失気」・・・むむむ、まあいいか(苦笑)

 そして三遊亭小遊三の「狸賽」。きわめてオーソドックスで好感が持てた。そして中トリは遊三、替り目の前半部分を「酔っ払い」として場内を沸かした。
 中入りの最中、トリの円蔵が会場に洋服で登場、さんざんにぎやかにしておいて、後半の開始となった。そう、お目当て福団治の登場である。「薮入り」という、江戸ではおなじみの噺だが、上方で聴くのは初めてだ。

 相変わらず、洒脱な語り口、決して力むでもなく、淡々とした語りだが、子供の帰りを待つ父親、母親の気持ちがひしひしと伝わってくる
 もう前半で、小生涙が流れてきた。そしてまた、子供もあっさりとした演技だが、なんともかわいい。さあ、これから・・・というところで終わってしまった。

 うーん、上方のサゲを期待していたが、残念だ。しかし、いよいよ福団治気に入ったぞ。というところで、小生の前の席の男性が退席。あれっトリ見ないのかな?
 とかいいつつ、トリの円蔵だ。月の家円鏡から改名して、もう20年以上経つ。トリネタは円蔵になった頃よく演っていた「ねずみ穴」だ。

 だが、結論から言うと大変がっかりした。円蔵になった頃に比べ、成熟したわけでもなく、深みはむしろなくなったような感じすらした。
 場内は爆笑に次ぐ爆笑だったが、それは噺そのものでウケるのでなく、噺の流れに逆らうような茶化しによってであった。


 人物の心が描けていないし、クライマックスにつながる部分で、娘を連れて兄のところに行くシーンで茶化しを入れたときには、嫌悪感すら覚えた
 マクラはまあ面白かったが、サゲの部分もなんか集中していない感じだった。あくまで、個人的な感想だから反論もあるとは思うが、ご容赦願いたい。

 円蔵って、こんなんだったっけ・・・正直、繊細で神経が細かい人とは思っていたが、終了後、観客に向かい、「自分は、これからもこの演目を演っていいのでしょうか」と聞き、拍手を浴びて安心していたが、小生は拍手できなかった
 けっこうあの質問、本音だったんじゃないかと・・・そのくらいつらいデキだった。

 円蔵は冒頭、「自分はあまり演りたくなかったが、小朝からリクエストされた」と言っていた。その小朝がフィクサーとなった大銀座落語祭も今年で終わり。
 小生にとって、その最後の演目がこれだったのは、ある意味象徴的だったのかも知れないし、トリ前に退席した男はもしかして・・・

 でも、今回もたくさんのいい噺も聴けたし、いい噺家も知った。やはり小生、落語からは離れられそうにない。主催の「六人の会」には拍手拍手!
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大銀座落語祭その3 | トップ | 衝動買い(笑)のパソコン »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
それが今年で終わりという ()
2008-07-28 18:00:25
今年で終わりというのが、大変残念です。
返信する
うぉ~ (すぽっと)
2008-07-28 01:30:01
すっごい盛り沢山だったんですね~(驚)。
お祭りって事で一気に、なのでしょうけれど、これだけいっぺんにだと、素人にはパニックになりそうですが(苦笑)。
落語に精通している師匠だからこそ、でしょうね、きっと。

返信する

コメントを投稿

落語」カテゴリの最新記事