小生、すでに読者の皆様にはご案内だが、「日本秘湯を守る会」のお宿巡りを趣味としている。つまり温泉ファンなのだが、温泉に求めるものって人それぞれだろう。
小生および同行者にとって、温泉(秘湯のお宿巡り)は「何もしない」をしに行くために行くのであり、「どこそこに行くついでにどこかに泊まる」のでなく、「そのお宿に泊まるために出かける」というのが本音。
そんな視点でいえば、定宿になっている秘湯のお宿はすべて癒されるために行くといえる。
「山あいの宿 うえだ」はそんな視点でいうと、まことに癒しのお宿ということができる。まず温泉が抜群だということはご紹介したが・・・
次に料理がとてもいい。夕食のメインの鍋は肉と野菜をすき焼き風にいただけるものだが、その他の料理は季節ごとに変わる。
伊豆だけに魚中心だが、この日も先付けのサメの軟骨や目鯛の焼き物など、バラエティに富みすっかり楽しむことができた。
また朝も干物だけではなく、すいとんが付くなど、質・量ともに十分でいい気分になる。
そして、こちらの魅力は料理だけではない。7室しかないと書いたが、お庭は広大で、もちろん平屋。離れではないものの、そんな感覚にさせてくれるほどゆったりしている。
こんな中で日頃の疲れが温泉に溶け出していく感覚・・・おわかりいただけるだろう。ときに今回、食事処から庭の池を眺めていたところ・・・大きな魚の影が目に留まった。
鯉にしてはちょっと大きすぎるし、そもそも形が違うような・・・これはひょっとして? と思い女将にお聞きした。
「庭の池のあれって、もしかしてチョウザメでは」と・・・すると女将はくったくのない笑顔で「そうなんですよ」と。
聞くと、知り合いの方が飼っていたものの、大きくなりすぎて持て余してしまっていたというのを譲り受けたとか・・・
1m以上もあるようなチョウザメが何匹もいる。これをまとめて引き受けたという女将のおおらかさがなんとも・・・いい。
もちろん鯉もいるが、性格はおとなしく共存しているようだ。なんでも最大70年くらい生きるというが、すでに10歳以上と。
そう・・・このお宿の最大の魅力は、このおおらかさが服を着て歩いているような女将なのかもしれない。
女将というと、吾妻屋のホスピタリティあふれつつも、なかなかのやり手という感じの女将や、平の高房の上品な佇まいを持ちつつもスタッフにも優しそうな女将など、いろいろなパターンがあるが、こちらはまったく商売っ気を感じさせないおおらかさが魅力だ。
失礼を承知で書くと、飾り気などみじんも感じられない・・・それがとても魅力的なのだ。
この女将自らが、なにもしないでいいですよ・・・という空気をただよわせてくれている。だからなんとはなしに実家に帰ったような、そんな気分にさせてくれるのかと。
「うえだ」は本当は教えたくない宿なんだが・・・って手遅れだ(爆)
そういえば三鷹市在住のFC東京サポもすでに二回行っているとか・・・ああ(汗)
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