銀座の辛い飯（カライライス）

暑い時期、むしょうに食べたくなるものって、皆さんにはないだろうか。小生、この時期にむしょうに食べたくなることがあるのが、今日紹介する辛い飯（カライライス）だ。

　場所は銀座にある。先日も銀座に昼出かけることがあり、寄ってきた。お店は、古きよき時代の街角にある小さな喫茶店という佇まいだ。
　その名のとおり、カレーライスなのではあるのだが、ここの店ではこだわりをもって、辛い飯（カライライス）と呼ぶ。行くようになってから２０年は経つ。

　だが、店の佇まいはもちろん、店内のメニュー表示もまったく変わったように見えない。もちろん店内のメニューは模造紙に手書きだ（汗）。
　ここの食事メニューは辛い飯しかないが、メニューには４種類書いてある。量と玉子の有無で分けられる。中心となるのが、大井(多い)である。

　この上が大森（大盛り）で、蒲田とくる。つまり、大盛りの先にあるというシャレだ（笑）。女性用に、品川（大井の手前＝小盛り）というメニューまである。
　さらに、模造紙には川崎（超大盛り）は甘協庁より口害のおそれありとの指摘を受けたので、販売を中止したとある（笑）

　この表示も昔からあるので、店主に聞いたら、はなからそんなメニューはなくシャレだという。こういうシャレ心が嬉しい。
　といってるうちに出てきた。今日は蒲田にした、といっても世間の水準と比べればそれほどの大盛りではない。独特のドロッとしたルーに半熟の目玉焼きを崩す。

　美味い！辛さと甘さと酸味が渾然一体となって、口の中を駆け回る。店主のオリジナルで、野菜や果物がタップリ溶け込み、夏バテにいいという。
　食べているうちに、後から辛さが波状攻撃をしてくる。知らないうちに、額から汗がジワー（なぜか、ジワーっとくる感じ、ポタポタではない）っと。

　とここまでくれば、仕上げにアイスコーヒーを頼むのが通だ。これがまた、昭和にタイムスリップしたような甘～いコーヒー（爆）。
　だが、この甘いコーヒーが辛さの波状攻撃を受けた後には、なんとも心地よい。大満足で、店を後にした。真夏の日差しの中、柳をそよ風が揺らしていた。

　銀座に行くことがあったら・・・大森か蒲田に寄ってみてはいかが（笑）