小生お気に入りの噺家のひとりである、桂米團治は毎年二回銀座ブロッサムで定例の独演会を開催している。
1月13日もその会があったので、当然のように出掛けてきた。今回は吉弥・鯛蔵・弥っこがゲストで出るという。
さてまずは弥っこが登場、東京でいえば前座であろうが、なかなかこなれた感じがする。始めたのが「手水廻し」であった。
上方の十八番のネタだが、いかにもありそうな・・・そして続いて米團治の登場だ。
登場と同時に歓声がおこる。というのも、黒地にあでやかな紅白の柄が染め抜かれた高座着で登場したからだ。しかも、袖から覗く襦袢が赤、襟は白、羽織の紐は紅白という、これは米團治ならではだぞ。還暦記念というが、いくらするんだろ・・・と(苦笑)
もちろん羽織を脱げば、黒の高座着だが・・・この羽織の裏がまたおしゃれだった。そうそう、始めたネタは「稽古屋」だった。
彼の稽古屋は何度か聞いているが、いつ聞いても華麗で、「ならでは」の雰囲気に包まれる。今回もバッチリ堪能させていただいた。
そして、今回のゲストの中心でもある吉弥の登場。かの早逝の吉朝の弟子だが、今けっこう売れっ子になっている。
大師匠の米朝のところでの住み込みの体験など語りながら、始めたのが「試し酒」だった。展開は江戸のそれと同じだが、酔っぱらいの具合もよく楽しませてもらった。
ここで中入り、ここで米團治芸歴40周年記念の独演会チケットを購入したりして・・・って、いつものパターンになっている。
さて再開だ。まずは鯛蔵の登場。始めたのは・・・おお、これは「のめる」だ。展開は江戸のそれとまったく同じだが・・・
後で知ったことだが、上方版は「二人ぐせ」と言っているようだ。つい先日志ん陽の「のめる」を聞いたばかりだが、上方版もいいかも・・・
そして再度米團治の登場である。事前にネタ出ししていた「高津の富」だ。江戸版の「宿屋の富」だが・・・
立ち上がりは米團治風でいい感じだったが、後半、これでもか・・・と重ねてくる演出が、ややくどく感じたのが正直なところ。
上方版の正当派なのかも知れないが、彼ならもう少し軽い演出の方がよかったのでは・・・とも。
とはいえ、やはり米團治の噺はいつもいい感じだ。次回は2月にまた・・・えっ、正蔵がゲスト・・・って、むむむ(苦笑)
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