アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

桂米團治独演会

2019-02-26 06:00:04 | 落語

ごひいきの噺家桂米團治の会を聞きに行ったのが1月のこと、その会場で2月に米團治の独演会が新橋演舞場で開かれることを知り、チケットを購入していた

 

 今回の会は「還暦&噺家生活四十周年記念」と銘打って開催されるもの。とはいえ、会場も大きく、落語会には過ぎるのだがなあ・・・なんて。

 幸い3列目という至近席で、聞きやすくはあった。さて、開演だ。賑やかなお囃子に乗って、なんと米團治が花道から登場。手踊りなどもあでやかに定式幕を開けると同時に口上の開始

 

 いやあ、この演出のあでやかさはさすがだ。しかも1月の会でも着ていた還暦記念にあつらえたという羽織(右下写真)がかっこいい

 ありえないが、ヤフオクとかで出品されたら買いたくなるよなあきっと・・・(苦笑)

 

 口上といっても真打昇進とかではなく、兄弟子二人が米團治を紹介するもの。この日は千朝と米二の二人。

 さてまずはトップバッターの南天・・・がインフルエンザで代演の米左になった。上方の落語の世界には東京のそれと違い、真打とかのランクがないが、東京なら立派な真打だ。

 

 始めたのは「道具屋」だった。東京のそれと違うのは与太郎が出てこないこと。考えてみると、上方版で聞くのは初めてだ。

 午後の睡魔と戦いながら、続いて正蔵が出てきた。何をやるのかと思っていたら・・・おっ、得意(と本人が言っている)子供の出てくる「蜆売り」だ。

 

 この日は気持ちが米團治にいっているせいか、あまり真剣に聞けなかった・・・さらに続いてざこばの登場だ。

 脳梗塞からの復帰を果たしたというが・・・「上燗屋」という初めて聞くネタ。東京でいえば「ぼやき酒屋」とか「居酒屋」なんかに近いか。

 

 そしてお待ちかね米團治の登場だ。歌舞伎がらみのマクラからスタートと・・・なれば、おおこれは「四段目」だ・・・と思ったら、上方では「蔵丁稚」という題と。

 内容はまさしく四段目だが、歌舞伎のセリフ回しといい、芝居の空気感といい、新橋演舞場でまさしく歌舞伎を見ている気分になるさすがは米團治だ。

 

 さてここで中入りだが、なんと30分という。まあ会場も大きいし幕間の弁当というノリになる。軽く小生も乗っけることにした。

 そしてトリで米團治の登場、ネタ出しの「地獄八景亡者戯」という上方の大ネタである。この日は米朝の映像とのコラボが予定されていたが・・・

 

 途中で大きなスクリーンが降りて来て、そこに映し出される故米朝の地獄八景のワンシーン・・・おお、これは往年のファンには嬉しいぞ

 比べて聞けば、やはり米團治が父米朝のDNAを受け継いでいることがよくわかる。1時間以上の口演だったが、おかげで大満足で楽しむことができた。

 

 帰路につきながら、改めて米團治の歩く姿の美しさやなんともいえない華やかで上品なオーラ、そして振りの美しさは他にないと感じた。

 今の東京では・・・当然いないよなあ。古くは志ん朝のそれが近いが、やはり違うか・・・と。噺家としてそれがいいのかどうかは別にして、米團治は小生的にはご贔屓中のご贔屓であることは間違いないところだなあと。

 

 ほぼ同世代でありながら、この差は・・・と今更すねてもしかたないか(爆)

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