見直したぞ！朝青龍

角界のベッカムこと琴欧州が大関昇進を決めた。入門からの最短記録らしいが、いよいよ大相撲の国際化は止まるところを知らない感じだ。

　小生、国技だから外国人力士は云々なんていう輩には虫唾が走る。その人が、純国産で暮らしているははずもなく、都合のいいことだけ言っているように思うからである。
　逆に、ルールが単純なスポーツだからこそ、もっともっとグローバル化し、その中で日本人力士もなかなかやるじゃないか、というふうになってこそ盛り上がると見ている。

　さて、そんな中いささか旧聞に属するが、朝青龍を見直す出来事があったので紹介しよう。まずは、九州場所終了後の次のエピソードだ。
　朝青龍が九州場所で定年を迎えた立行司・木村庄之助に、花束と懸賞金を贈ったというのだ。いかな一人横綱とて、今までこの手のことをやった力士を小生は知らない。

　ふてぶてしいまでに強い横綱の、私的な一面を知った気がして感心したが、これを受け、横綱審議委員会も、幕内７連覇、年間６場所完全制覇、年間最多勝（８４勝）を更新したことと併せ、絶賛したという。
　内館牧子委員も「夜中まで若い衆を連れ回して飲み歩いても、お相撲さんらしく豪快でいい。横綱として、きちんとしていればいい」と手放しでほめたという。

　もうひとつ紹介しよう。先日テレビで朝青龍が松岡修造と対談していた。中で、彼は手の内を明かさない方が勝ち続けるのに有利ではと問われ、「それはキタナイ」と一蹴。
　さらに、九州場所で優勝を決め、泣いていた事情についても「場内が魁皇コールで一色になっているときに、自分を応援してくれるお客様がいた。勝って、その方と目が合った瞬間嬉しくて・・・」と。

　おお、小生大感激である。地位が高くなるほど孤独なもの。ましてや一人外国人横綱。ヒール（悪役）を自認しているのだ。
　今現役力士で、彼ほど相撲界を考えている力士がどれくらいいるだろうか。今回大関になった琴欧州も、親方の定年に間に合わせたくて精進したという。

　こんな気持ちをもって精進している力士は、もはや外国人ではない。二人とも気に入ったぞ。ステキだ。
　ときに、近所の焼肉屋で、あだ名を「夜青龍」さんという可愛い子がいたんだが・・・またあの店に行こうかな（←話とまったく関係なし）