一度の人生 Granma Room 独り言

元気で楽しく思いままの雑記帳

つぎね(ひとりしづか)

2007年01月28日 | 楽しく生きよう

 

        

        6:30出発 二時間掛かる工場まで 
        電車で出かけた。                          

        ガラ空きの席で、万葉集を読んだ

        時間つぶしにと 求めた 単行本

            「万葉 花 散歩」

        その中に・・・ 心に響く歌があった


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      (いまの ひとりしづか~センリョウ科~とされる)

     
       「 つぎねふ 山城道を 他夫の(ひとづま)

        馬より行くに己夫し(おのづま)歩より行けば

        見るごとに哭(ね)のみし泣かゆ

        そこ思ふに 心し 痛し

        たらちねの 母が形見と わが持てる 

        真澄鏡に 蜻蛉領巾(あきづひれ)

        負ひ並め持ちて馬買へわが背」

 

         つぎねの生える山城道を
         他の夫は馬で行くのに                                                               

         わが夫は歩いて行くので
         見る度にひどく涙が流れる。
         それを思うと心が痛い。
         たらちねの母の形見の真澄鏡に
         とんぼの羽ねのように薄く長い布をそえて
         ともに背負って市へ持って行き
         馬を買えよ
わが夫よ

           

         万葉人の妻心

         寒い朝にぽかぽかと暖まる言葉だった