ビルボード・ライブでスティーリー・ダンを聴いた帰りに買ってきた防振ピン、今のところショート・ピンに比べると何の効能も浮かび上がらずガックリ。それにこれ、ズルい。普通のプリメイン・アンプの端子数は入力系が勝るわけで、何かしようとすると、手始めはショート・ピンになるはず。ウチではそれが効いたので、では次にと防振ピンに手を伸ばすと、単価が1.5倍、その割に見た目が貧相なうえ、効かない、ときては、これがオーディオの虎の穴というものか、と。どこかレゾチの危うさに近いものも感じた(写真の銀キャップがそれ)。が、まあいいやと快心させてくれたのが、待望の『サマータイム/ウィル・ブールウェア』のハイブリッド盤。中でも8曲目ブルースのエンディング、CD-Rではボナのエレベがミンチ状態だったのが、SACDでは振幅の峰がブリンと出てきて、バスドラとのかぶりが激減した。防振ピンを抜いても結果は一緒さ。もうひとつ、「昭和ジャズLegends」の『渡辺貞夫・アット・“ピット・イン”』、クラブの景色までついてくる感じに涙。ウチの箱庭的音場のスピーカーでも、情報量の圧倒的違いが分かるのが何より嬉しい。

「残暑」とは立秋を過ぎてからの暑さを言うが、こんなに熱いお盆はいつ以来のことか。昨日の午後2時頃、仕事部屋が急に冷えなくなりエアコンが不調になったのかと思った。普段は滅多に26度以下にしない設定を24度まで落としてトントンといった感じ。近所のお墓が例年より閑散としていたのはそのせいかも。墓地まで片道400メートルくらいなのに、送り火を済ませて家に戻ると汗だく。どうせ汗かきついでだと、借り物の電源ケーブルに再挑戦した。古いプリメイン・アンプなので、IECインレットがない。が、非連動のサービス・コンセントからパワーを送り込めるとは知らなかった。一方が3Pオス、他方が2Pオスのお手製ケーブルをつなぎ、直出しのオス端子に蓋をしてパワー・オン。エージングが進んでいたらしく、音調が相当変わった。それも良い方向に。うわ~っ、これではIECインレットに改造するしかないかも。ソニーのCDプレーヤーもだ。両機とももう晩年期だから、メーカー保守部品もなくなりつつあることだし。試聴用にかけたのは、『リヴァー~ジョニ・ミッチェルへのオマージュ/ハービー・ハンコック』(ユニバーサル・ミュージック/9月19日発売)、『サマータイム/ウィル・ブールウェア』(ヴィレッジミュージック/8月22日発売)、『ザ・ヴェリー・ソート・オブ・ユー/エミリー・クレア・バーロウ』(ビクターエンタテインメント/8月22日発売)。『サマータイム』を早くSACDで聴いてみたい。

仕事が忙しいことを喧伝するのも幸せボケの典型と考える者として、泣き言混じりでも「忙しい」と言わないようにしてきたが、『STEREO』誌の取材後にやってきた締め切りの大攻勢に七転八倒の10日が過ぎ、するとそこに次の締め切りが迫り出てきて酒呑む気にもならないヘトヘト状態で忙中の閑を探すと、あれれ、結局のところまたオーディオ・ネタに。家に籠もってちゃあいけないなあ、というので、今日は日曜にもかかわらず、ブルーノート東京のカニサレスへ。パコでもトマティートでもヴィセンテでもないヌーヴォーなフラメンコと、2曲に登場したダンサーが迫力満点。さらに、帰りの首都高の流れも優秀で、高樹町からウチまで30分代と快調。たまにこうしていい思いをするからつい調子に乗って日中に繰り出し、大渋滞の海に呑まれるのだ。

で、オーディオのことは、我が家とほとんど同じスピーカー・セット(RogersのLS3/5AとAB1)をお使いの方が、同じようにサイドプレス・スタンドを導入したところ、「もはやAB1はいらなくなった」と仰っている件、それではあまりにAB1がもったいないと。これも七転八倒の末だが、AB1の上に20mm厚7kgのTGメタル板(田代合金所)を置いたところ、低域が見違えるほどヌケが良くなってホクホク。トータル・バランスではLS3/5A単体の方が絶対優れているが、こうしたことでウチでは単体とAB1付きのとバランスが今いい勝負。それから、「サイドプレス・スタンドは素のままセットするに限る」風の公式、それもウチでは否とするって加算モードで走り始めちゃった以上、もう後には引けなくなっただけだが、AB1をますます侮れなくなった、というのがボードを敷いて鉛の重しを載せることで得た新たな所懐。手が空いたら、東京防音のアコースティック・コンディショナーに再挑戦してみようと思う。

で、オーディオのことは、我が家とほとんど同じスピーカー・セット(RogersのLS3/5AとAB1)をお使いの方が、同じようにサイドプレス・スタンドを導入したところ、「もはやAB1はいらなくなった」と仰っている件、それではあまりにAB1がもったいないと。これも七転八倒の末だが、AB1の上に20mm厚7kgのTGメタル板(田代合金所)を置いたところ、低域が見違えるほどヌケが良くなってホクホク。トータル・バランスではLS3/5A単体の方が絶対優れているが、こうしたことでウチでは単体とAB1付きのとバランスが今いい勝負。それから、「サイドプレス・スタンドは素のままセットするに限る」風の公式、それもウチでは否とするって加算モードで走り始めちゃった以上、もう後には引けなくなっただけだが、AB1をますます侮れなくなった、というのがボードを敷いて鉛の重しを載せることで得た新たな所懐。手が空いたら、東京防音のアコースティック・コンディショナーに再挑戦してみようと思う。