



そこで「前回」ついでに、前項チック&マクラフリンの「前回」を巻き戻してみた。すると、81年7月、モントルー・ジャズ祭に於けるデュオという強力な記録が出てきた。そのうちの〈ビューティフル・ラヴ〉1曲が、『チック・コリアの音楽~ミュージック・フォーエヴァー&ビヨンド』に、7曲のセット・リスト全曲がマクラフリンの17枚組BOXに収録。その後のふたりは、91年7月のパリで、マイルス・デイヴィスと一緒にやることになるが、あの舞台はいい意味でのお祭り。その次に連名のある03年の『ユニヴァーサル・シンコペイションズ/ミロスラフ・ヴィトウス』は、「あれはオーヴァーダブだったのでジョンと会ってないんだ、あははっ」(チック)と07年に確認。ナタリー・コールの一件同様やっかいな話にはなるが、FPB(Five Peace Band)に至る直近の火種は、どうやらそこにあったのかも、とは、備忘録代わりでした。
何かのついでにと思ったまま1年忘れていた『モーフ・ザ・キャット/ドナルド・フェイゲン』の、180gアナログ2枚組を昨日やっと手に入れた。Side1からSide3まで各面2曲、Side4だけ3曲。面を裏返すのと盤を載せ替えるのにちょっと忙しいが、かえって音楽を聴く上で集中力が上がる気がした。どうやら、面を返している時、その面の出来事を反芻できるかららしい。読書なら、ひと息つきながら短編に付き合う感じか。という最中に、チック・コリア&ジョン・マクラフリン“ファイヴ・ピース・バンド”のライヴCD2枚組が届いた。言うまでもなく、こっちは長編2巻セットで、ひと息つこうものなら後の祭り。長編エッセイもまたそれなりの集中力を喚起され、素晴らしいものあり、という感じか。ただ、サイケ調のこの表紙。フラワー・ムーヴメント期の再発盤ではないことを早めにインプットしておいて下さい。以下、メンバーと曲目。
●Disk 1 1.Raju (McLaughlin) Buma/Stemra 2.The Disguise (Corea) Crystal Silence Music/BMI 3.New Blues Old Bruise (McLaughlin) Buma/Stemra 4.Hymn to Andromeda(Corea) Crystal Silence Music/BMI
●Disk 2 1.Dr.Jackle(McLean) Prestige Music Co/BMI 2.Senor C.S.(McLaughlin) Buma/Stemra 3.In A Silent Way/It's About That Time (Zawinul) Zawinul Music/BMI (Davis) East St Louis Music Inc-Jazz Horn Music Corp/BMI 4.Someday My Prince Will Come (Churchill & Morey) Bourne Co/ASCAP
・“ Dr. Jackle” arranged by Chick Corea
Chick Corea piano & keyboards
John McLaughlin guitar
Kenny Garrett saxophone
Christian McBride acoustic & electric basses
Vinnie Colaiuta drums
Herbie Hancock guest artist, piano