過去の記事。
GONINの巻。
GONINの巻、ふたたび。
ニッポン映画【GONIN サーガ】を公開初日に観て来ました。
前作【GONIN】から20年かぁ…、当時はおっぱいが大きく、ウェストの細い歳上のオンナと付き合ってたっけ…。
これから先はネタバレ注意ですよん。
さて、結果から申し上げますと『う~ん…』といったトコでしょうか。
面白くない事はないんです。
ただ、あまりにも前作に寄りかかり過ぎ。
良くも悪くも正統な続編ってトコ。
はっきり申し上げて、前作を未観の方は何がなんだか分からないでしょう。
この作品に限りませんが、続編となると関係者が必ず声を合わせて言うのが『前作を観ていなくても楽しめます』って事。
そんな事ぁ、ありません。
もちろん、前作とはトーンを変化させているのは、良く分かりました。
ただ、全てが弱い。
要するに闇金を襲撃する動機も弱けりゃ、氷頭が仲間に入る動機も弱い。
土屋アンナが佐藤浩市の娘ってのも、こじつけ過ぎ。
白髪の佐藤浩市の登場は【GONIN2】のラストっぽかったし。
とは言え、森永ミルクキャラメルや、ポコチンゼンマイ玩具などの小物に頼らなかったのは評価しましょう。
竹中直人と福島リラの殺し屋コンビは弱過ぎです。
とくに福島リラはヒドい。
プロの殺し屋とは思えませんでした。
エキセントリックな殺し屋って今時流行らないですよね。
19年前【GONIN2】の時、 鶴見辰吾がエキセントリックな殺し屋像・代市を創り上げたのですが、その際『キミは何か勘違いしてる』と石井隆に言われたそうですね。
あの頃ですら、そういった流れだったのですから、今回はあまりにもステレオタイプ過ぎ、ちっとも恐ろしさを感じる事は出来ませんでした。
そう考えると、前作で殺し屋・京谷を演じたビートたけしは凄かったなぁ、と。
とくべつ、エキセントリックなお芝居や役作りをしないにも関わらず、あれだけの狂気を醸し出すのですから。
あれが存在感ってヤツなんでしょう。
ちょいと気になったのが【暗転】の多用です。
敢えてやってるのでしょうが、少々多過ぎてブツ切り感が強かった。
その分、冗長なシーンはほとんどありませんでしたが。
東出昌大と安藤崇とテリー伊藤のお芝居はダメでしたねぇ。
ま、東出昌大は途中からエンジンが掛かっては来ましたが、安藤崇とテリー伊藤の親子コンビは終始下手くそ。
安藤崇は【キッズ・リターン】の時から何も進歩してません。
テリー伊藤ってのは意外性を突いた、良い人事だとは思ったんですがねぇ…。
良かった点を挙げましょう。
井上晴美は良かったですねぇ。蓮っ葉なオバサン役がぴったり。正にヤクザのバシタって感じ。
安藤崇にチャカを向けるトコなんか、なかなか堂に入ってました。
前作に引き続き、飯島大介が闇金業者で出演してましたが、あの名セリフ『チャカが怖くて極道やってられっか』の復活が実に楽しかった。
歳を取ったせいか、ちっちゃいおじいちゃんになってました。
伊藤洋三郎も前作に引き続き出てましたねぇ。
このヒトって昔っから若手キャラという印象があるんですが、ウィキを読みますと、もう還暦とか。
【さらば あぶない刑事】にも出るのかな。
過去の記事。
あぶない刑事の巻。
あぶない刑事の巻、ふたたび。
いちばん良かったのが柄本佑。
初めてこのヒトのお芝居を観ましたが、難しい役柄にとてもハマっています。
忍び寄る死を完璧に演じ切っておりました。
しかし、こうして考えますとつくづく名作って創ろうとして、創れるものではないのだなぁ、と。
そもそも前作だって決してヒット作という評価は得てないはず。
あれだけの演者を集め、あれだけのバイオレンスなのに、です。
一方で年月を経るにつれ、マニアを中心に盛り上がった、というのが現実でありましょう。
あ、あと奥山和由の存在って、やっぱ大きかったんじゃないかな。
『僕には4人の運命共同体がいる。苦しみも五分の一になる』櫻井翔(ニッポンのタレント・1982~)