荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

流しの巻。

2016年09月03日 | 偽りの人生に優れたエンターテイメントを




皆さん【流し】ってご存知ですか?

ギター1本を抱え、飲み屋を一軒一軒回り、客のリクエストで曲を弾き、客がそれに合わせて唄う・・・。

実にクラシカルでアンプラグドな商売であります。

勿論、カラオケ全盛の世の中で、こういった商売が引っ張りだこになる訳も無く、現在では幇間や三助並みに激減してしていると、数年に一度は耳にします。

僕も当然カラオケ世代。

しかも、オッサンが歌本見ながら8トラで唄う時代から、カラオケボックス隆盛迄の急激な変遷を、目の当たりにした世代です。

なので、一生、流しを呼ぶ事は無いだろうと思っておりましたが・・・。



もう3~4年前でしょうか。

とある日曜日、新宿・ゴールデン街で友人と飲んでおりました。

杯を重ねております内に『なんかカラオケ唄いてぇなぁ』という気分に。

そのお店にはカラオケが置いておりません。

だからこそ、そのお店に通っている訳でなのですが。

『んじゃ、どっかカラオケあるトコに河岸変えるべ?』

と思ったのですが、ゴールデン街界隈でカラオケを安心して唄えるのは、10年通っているオカマバーのみ。

ところが、オカマバーは日曜日はお休み。

カラオケボックスは嫌いだし・・・、う~ん・・・。

そんな時、ママから『流し、呼ぶ?』のひと言が。

『呼ぼう!呼ぼう!』

人生においてチャレンジはひとつでも多くすべきですから、即決でした。

ママが流しの先生に連絡を入れたトコ、『今、西新宿にいるから15~20分位で来る』との事。

ワクワク。

やがて先生登場。

しかもお店に来る途中で、オジサン二人組をゲットしての登場でした。

『まぁまぁ、先生もまずは一杯』とお酒を薦めます。

『で、エグザイルとかでも大丈夫ですか?』とジョークを一発。

勿論、そりゃ無理ってもんで『この中から選んで下さい』と歌本を渡されました。

結局、吉田拓郎とか長渕剛を唄いました。

友人はイルカを熱唱。

さて、勘定は覚えておりませんが、別段高いという感覚はありませんでした。



夜のゴールデン街、流しの演奏で昭和の曲を唄う・・・。

僕もホントのオトナになったものです。

料亭でのお座敷遊び・銀座のクラブ遊び・オカマ遊び・・・、オトナのオトコの遊びは、幅が広く無きゃね。



『私には愛する歌があるから、信じたこの道を、私は行くだけ。すべては心の決めたままに』ポール・アンカ(カナダのシンガーソングライター・1941~)

過去の記事。
新宿の巻。
料亭の巻。
オカマバーの巻。
ガールズバーの巻。
49歳の巻。
永井淳の巻。
屋形船の巻。
屋形船の巻、ふたたび。
屋形船の巻、みたび。
騒音の巻。


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