総務省のデータである。平成8年より小選挙区比例代表並立制が始まった。H2、73.31% H5、67.26%だった投票率が一挙に59.65%まで下がった。明らかに小選挙区制の失敗である。
H17年の国政選挙は郵政民営化を問う選挙と名打ち、今の都知事などが刺客となって郵政民営化反対の与党議員に立ち向かった選挙だった。また、H21年はあの・この・その麻生氏と鳩山氏の与野党逆転の選挙だった。つまり、大きな争点を問う選挙でない限り”小選挙区制”は機能不全なのである。しからば今回はどうなのだろう?とても与野党逆転の雰囲気ではない。そうなると投票率は上がらないと考えた方がいい。
小生の選挙区で言えば、野党とユ党の争いである。与党がいないのだから投票先が無い。自分の名前でも書いて無効票にするという手しか浮かばない。そんな有権者は全国に何百万人もいるだろう。小選挙区は誰が考えたのか知らないが、民主主義社会の選挙ということを全く考えない輩が思い付きで作ったというしかない。こんな選挙制度をなくす方法は一つしかない。無効票を量産することだけだろう。
防衛費GDP比2%と核武装に賛成の人が、核武装反対論者と今のままでいい候補者しかいなかったら誰に投票するのだろう。サルでも分るロジックが政治家には分からないのだ。それにもう一つ、官僚出身の議員が多すぎる。これでは庶民の代表選挙ではなく、行政の代弁者選挙になってしまっている。とても開かれた民主主義の選挙とは言い難い実態である。
先の長期政権の悪口が世の中に蔓延しているが、今の選挙制度を変えない限り“ふしだらな”政権は後を絶たないだろう。それは与野党が逆転しても変わらない。