住宅展示場が取っ払われ、植木が処分されるという知人の情報で貰い受けた富裕柿、地元では一般的な甘柿である。昨年よりは少し多く実をつけたようで、数えると30個近くあった。自然落下や鳥害により残るのは20個あるかないかだろうか。隣に植えているガンザンは未だ実をつけるには至っていない。
先だって大雨の災害があった久留米が原産地のガンザンは、千種類以上もある柿の中で王様だと思っている。特に10mを超すような大木になるガンザンは例えようもないほど美味しかった。小さめのリンゴくらいの大きさに成長した実は、ゴマの美味しさとシャキシャキ感が堪らなかった。当時、頑固な母方の祖父が、機嫌がいい時には2個まで採るのを許されたほど魅力ある果物だった。
梅雨明けに鮮やかな緑の葉っぱと青々とした柿の実は、暑い夏本番を迎える八月に向けて全力疾走の態勢であるかのようである。人間はこうはいかないので熱中症にも十分気を付けて過ごす夏となりそうだ。