8月24日に海への放出が決まった原発の処理水。中国は「汚染水」と呼んでいるが、日本は「処理水」としている。世界の原子力関連施設でもトリチウムが含まれた水が海へと放出されている。イギリスの再処理施設では186兆ベクレル、フランスの再処理施設では1京ベクレル、中国も陽江原発では112兆ベクレルが放出されている。ちなみに福島第一原発は年間22兆ベクレル未満。(福島 テレビ)
以上の内容を素直に読めば何ら問題ないということだ。だが、韓国や中国では反対する人が多いように報道されている。その内実からは政治的な思惑が入り乱れていると思われる。日本の場合はどうだろう?反対運動も少なからずある。理屈ではわかっていて素直に賛成できない人も一定数いる。小生も素直に賛成とは言いかねる。
それは何故なのか?
1.福島原発事故の経緯が影響している。無責任と言い逃れと嘘の歴史。
2.報道により、東京電力の経営体質や職員のモラルが地に落ちている。
3.事故や隠ぺい常連会社が、30年間も正しく放出できるとは信じ難い。
4.商品差別化の世の中では風評被害が殊更吹聴される傾向にある。
5.福島原発の責任をだれも取っていないという不正義への反発がある。
6.原発を推し進める国や経産省に対する国民の信頼が殆どない。
特に、国が未曽有の原発事故を起こしておきながら、方や老原発の再稼働や新規原発開発など、国民の心を逆撫でするような政治への反発が根底にあるのだろうと思われる。
最後に、処理水か汚染水かの問題について一言。放射能に汚染された水を処理した水であって、通常の原発から放出される処理水とは明らかに異なると筆者は考えている。