2011年3月11日福島第一原発事故(写真=NHK)
東電は08年に、869年の貞観地震や国の地震調査研究推進本部の見解などをもとに、巨大地震時の津波の規模を試算。福島第1原発の5~6号機に来る津波が10.2メートル、防波堤南側からの遡上高は15.7メートルという結果をまとめた。実際に大震災による福島第1原発の遡上高は14~15メートル。試算に基づいて、電源やポンプなどの重要施設の防水対策をきちんととっていれば、全電源喪失から原子炉を冷却できなくなる事態を防げた可能性がある。
この試算結果を08年6月に経営陣も把握していた。試算を想定津波に反映しなかった理由について「試算は試算であり、想定ではない」(松本純一原子力・立地本部長代理)と説明した。
東電は試算結果を今年(2011年)3月7日になって保安院に報告した。保安院は東電に対し、試算結果を反映した耐震安全性評価報告書を提出し、早期に設備の改修などの対策をとるよう口頭で指導した。実際には4日後に震災が起き、対応できなかった。(日経)
経過を見れば、明らかに東電による人災そのものである。人間が操ってはならない神の領域にいる原子力を、無理やり操っているのが原子力発電所である。広島・長崎の原子爆弾でも懲りない日本人は、世界で一番野蛮な民族ではないだろうか。広島・長崎・福島と続いて、もう一度事故は起こる。きっと起こる。それでも原発を止めようとしない連中がわんさといる。彼らは原発から遠く離れたところで、何食わぬ顔で原発の推進を企み続けている。