入り江の奥深く入った堤防に停めたため、いろんな人がヨットを見もって通り過ぎたり、一言二言話し掛けられる。決まって「何処から来たの?」「次はどこへ行くの?」である。堤防の貝殻からフェンダーを守る板の紐が擦り切れるので、紐が当たらないように手直しをしながら、「お邪魔しています」「良いところですね」と、愛想よく答える。中には話好きの人がいてコーヒーを淹れてあげたら、夕方に近くの温泉まで連れて行ってくれた。この宿毛で人の情けに接し、身も心も洗われた思いがした。宿毛の難点は、湾内が入り組んでいて定置網が多く浅いということである。